彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




ウキウキ気分で、白い薄手の手袋を付ける。



「ちゃんと洗って返しますね?」

「バカ!今後も使っていけ!オメー、まだまだ、トラブルに巻き込まれそうだから持ってろ!お守りだ!」

「瑞希お兄ちゃん、そこまで僕のことを・・・・!?」



(気にかけて下さってる!?)



「兄貴だから当たり前だろうが?」



そう言いながら、全く痛くない力だ頭をポンと叩かれる。





「~~~~瑞希お兄ちゃん大好き!」

「ば!?恥ずかしいだろう~!?」





反射的に抱き着けば、赤い顔で怒られた。

だけど、引きはがされることはなく、むしろ、背中に手を回し、ナデナデして下さった。





「~~~!!?」

(やぁあーん♪幸せぇ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!)





好きな人の胸に抱き着きながら、幸福をかみしめる。





「凛。」





そんな私の耳元で、瑞希お兄ちゃんが私の名前をささやく。




「はい!なんでしょう!?」

「『GREAT STAGE』にはケツ持ちがいる。」

「けつもち?」




聞きなれない言葉。

思わず聞き返しながら、瑞希お兄ちゃんの顔を見れば、彼は教えてくれた。




「なんかあった時に、助けてくれる奴のことだ。」

「え!?用心棒みたいなものですか?」




そこまで言って、あれ?と思う。



「『GREAT STAGE』は、龍星軍に用心棒を頼んできましたが・・・?」

「用心棒とケツ持ちは違う。金と引き換えに、なんでも面倒見てくれるのがケツ持ちだ。」

「それって・・・『GREAT STAGE』のケツ持ちも討伐しなきゃダメってことですよね・・・!?」

「いや、今回はそこまでしなくていい。ただ・・・どいつがケツ持ちについてるのかを、突き止めておく必要がある。」

「す、すみません!そこまで気づかなかったです!すぐに、調査を――――――――!」

「もう調査は、俺ら初代がしてる。」

「え!?お兄ちゃん達が!?」


(私達、現役メンバー、聞いてませんよ!?)



命じてくれないとか・・・・・!?



「ぼ、僕は・・・僕らは、そんなにダメですか・・・!?」

「勘違いすんなよ、凛。」





動揺しながら言えば、私の頭をなでながら瑞希お兄ちゃんはおっしゃった。