ウキウキ気分で、白い薄手の手袋を付ける。
「ちゃんと洗って返しますね?」
「バカ!今後も使っていけ!オメー、まだまだ、トラブルに巻き込まれそうだから持ってろ!お守りだ!」
「瑞希お兄ちゃん、そこまで僕のことを・・・・!?」
(気にかけて下さってる!?)
「兄貴だから当たり前だろうが?」
そう言いながら、全く痛くない力だ頭をポンと叩かれる。
「~~~~瑞希お兄ちゃん大好き!」
「ば!?恥ずかしいだろう~!?」
反射的に抱き着けば、赤い顔で怒られた。
だけど、引きはがされることはなく、むしろ、背中に手を回し、ナデナデして下さった。
「~~~!!?」
(やぁあーん♪幸せぇ~~~~~~~~~~~~~~!!!!!)
好きな人の胸に抱き着きながら、幸福をかみしめる。
「凛。」
そんな私の耳元で、瑞希お兄ちゃんが私の名前をささやく。
「はい!なんでしょう!?」
「『GREAT STAGE』にはケツ持ちがいる。」
「けつもち?」
聞きなれない言葉。
思わず聞き返しながら、瑞希お兄ちゃんの顔を見れば、彼は教えてくれた。
「なんかあった時に、助けてくれる奴のことだ。」
「え!?用心棒みたいなものですか?」
そこまで言って、あれ?と思う。
「『GREAT STAGE』は、龍星軍に用心棒を頼んできましたが・・・?」
「用心棒とケツ持ちは違う。金と引き換えに、なんでも面倒見てくれるのがケツ持ちだ。」
「それって・・・『GREAT STAGE』のケツ持ちも討伐しなきゃダメってことですよね・・・!?」
「いや、今回はそこまでしなくていい。ただ・・・どいつがケツ持ちについてるのかを、突き止めておく必要がある。」
「す、すみません!そこまで気づかなかったです!すぐに、調査を――――――――!」
「もう調査は、俺ら初代がしてる。」
「え!?お兄ちゃん達が!?」
(私達、現役メンバー、聞いてませんよ!?)
命じてくれないとか・・・・・!?
「ぼ、僕は・・・僕らは、そんなにダメですか・・・!?」
「勘違いすんなよ、凛。」
動揺しながら言えば、私の頭をなでながら瑞希お兄ちゃんはおっしゃった。


