彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)






「これじゃあ、凛道蓮に負けてゲームオーバー。ついでにケツモチの面子も丸潰れ。」





その声にあわせ、隣に座る知らない男が俺の首根っこをつかむ。




ガシ!

「ぐえ!」

(い、いてぇ!よくみればこいつ、ムキムキじゃねぇか!?く、首がしまる!)

「美涼!!」




助けろとなを呼べば、軽めのバンザイをしていた。

見れば後ろの席にも人がいて、そいつがみすずの首にナイフを突きつけていた。




(やべぇ!俺よりやべぇ!)

「まっ待ってください!俺はちゃんとやった!段取りはみすずがしてたからー!」

「『GREAT STAGE』の代表はお前だろう、永山グレイト。この町で商売させてやるために、どれだけこっちが金つぎ込んだと思ってんだ?ケジメ、つけてもらうぞ?」

「すみません!すみません!!勘弁してください!!」

「仕方ないな・・・ワンチャンやるよ。」

「本当ですか!!?」

「後ろ見ろ。」




その声にあわせて、俺の首をつかむ手が無理矢理後ろを向かせる。




グキ!

「ぐえ!?」




痛みを我慢しながら後ろを見れば――――――





「こ、こいつは・・・!?」

「『それ』使ってワンチャンしろ。どう使えば、やられたぶんをやりかえせるか、凛道蓮や鳴海瑠華達にダメージがいくかわかるだろう?」

「そ、それは・・・!」

(簡単だ!!)



「お前が、『前と同じこと』をすればいいんだからね~♪」

「は、はいっ!!!」

「期待してるよ。」

「わかりました!お任せください!!」

(マジかこいつ~♪)





楽しそうに言うケツモチに、ヤバさを感じる。

同時に、俺も楽しみながら嫌がらせをできるのかと思うと―――――――――ひどく愉快な気分になった。