「これじゃあ、凛道蓮に負けてゲームオーバー。ついでにケツモチの面子も丸潰れ。」
その声にあわせ、隣に座る知らない男が俺の首根っこをつかむ。
ガシ!
「ぐえ!」
(い、いてぇ!よくみればこいつ、ムキムキじゃねぇか!?く、首がしまる!)
「美涼!!」
助けろとなを呼べば、軽めのバンザイをしていた。
見れば後ろの席にも人がいて、そいつがみすずの首にナイフを突きつけていた。
(やべぇ!俺よりやべぇ!)
「まっ待ってください!俺はちゃんとやった!段取りはみすずがしてたからー!」
「『GREAT STAGE』の代表はお前だろう、永山グレイト。この町で商売させてやるために、どれだけこっちが金つぎ込んだと思ってんだ?ケジメ、つけてもらうぞ?」
「すみません!すみません!!勘弁してください!!」
「仕方ないな・・・ワンチャンやるよ。」
「本当ですか!!?」
「後ろ見ろ。」
その声にあわせて、俺の首をつかむ手が無理矢理後ろを向かせる。
グキ!
「ぐえ!?」
痛みを我慢しながら後ろを見れば――――――
「こ、こいつは・・・!?」
「『それ』使ってワンチャンしろ。どう使えば、やられたぶんをやりかえせるか、凛道蓮や鳴海瑠華達にダメージがいくかわかるだろう?」
「そ、それは・・・!」
(簡単だ!!)
「お前が、『前と同じこと』をすればいいんだからね~♪」
「は、はいっ!!!」
「期待してるよ。」
「わかりました!お任せください!!」
(マジかこいつ~♪)
楽しそうに言うケツモチに、ヤバさを感じる。
同時に、俺も楽しみながら嫌がらせをできるのかと思うと―――――――――ひどく愉快な気分になった。


