彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「さやかさんは、ここにいてください。」

「な!?いやよ!あたしを見捨てる気!?」

「違います。ここにいた方が、安全です。」



強引にさやかを、俺から引きはがす美涼。



「大丈夫ですから、ここにいて下さい。」

「でも!」

「私達が安全を確認したら、お迎えに上がります。それまでここに隠れて下さい。」

「わ、わかった・・・。」



優しく美涼が言えば、素直に引き下がるさやか。





「他の皆さんも、ここで待機していてください!!」





美涼の言葉に、他の奴らもうなずく。

それを確認してから美涼が言った。





「行きましょう、グレートさん。」

「お、おう。」





美涼に合わせ、部屋から出る。

二人だけになったところで聞いた。





「状況確認て、どうする気だ?」

「確認しなくても、ヤバイです。」

「はあ!?大丈夫かよ!?」

「あなたを大丈夫にするためにも、このまま逃げましょう。店が摘発されたということは、ここもバレてるはずです。」

「お前ここが安全ですってさやかに言ったよな!?話が違うじゃねぇか!?」

「逃げるなら少数です。嘘はいってません。こっちが安全確認をしてる途中に、迎えに行くよりも先に警察が来てしまったら・・・どうしようもありませんよね?」

「ぷっ!ヒャハハハ!なるほどな~!」





その言い方、最初からさやかを、俺以外は全員を見捨てるつもりでいたらしい。

さすが俺の片腕だ。





「現状がどうやばいかご報告します。」





感心する俺に、美涼は言葉を続ける。