「さやかさんは、ここにいてください。」
「な!?いやよ!あたしを見捨てる気!?」
「違います。ここにいた方が、安全です。」
強引にさやかを、俺から引きはがす美涼。
「大丈夫ですから、ここにいて下さい。」
「でも!」
「私達が安全を確認したら、お迎えに上がります。それまでここに隠れて下さい。」
「わ、わかった・・・。」
優しく美涼が言えば、素直に引き下がるさやか。
「他の皆さんも、ここで待機していてください!!」
美涼の言葉に、他の奴らもうなずく。
それを確認してから美涼が言った。
「行きましょう、グレートさん。」
「お、おう。」
美涼に合わせ、部屋から出る。
二人だけになったところで聞いた。
「状況確認て、どうする気だ?」
「確認しなくても、ヤバイです。」
「はあ!?大丈夫かよ!?」
「あなたを大丈夫にするためにも、このまま逃げましょう。店が摘発されたということは、ここもバレてるはずです。」
「お前ここが安全ですってさやかに言ったよな!?話が違うじゃねぇか!?」
「逃げるなら少数です。嘘はいってません。こっちが安全確認をしてる途中に、迎えに行くよりも先に警察が来てしまったら・・・どうしようもありませんよね?」
「ぷっ!ヒャハハハ!なるほどな~!」
その言い方、最初からさやかを、俺以外は全員を見捨てるつもりでいたらしい。
さすが俺の片腕だ。
「現状がどうやばいかご報告します。」
感心する俺に、美涼は言葉を続ける。


