「ちょっとよろしいですか?」
「なんだ君は?子供がこんな時間に出歩くんじゃない!」
「ごもっともです。」
きつく言ったのに、相手は動じることなくしゃべる。
「こんな時間じゃないと、埼玉県警みなさんにはお会いできないでしょう?逮捕令状出たのですね?」
「な!?」
パトカーならともかく、一般車に乗ってるのに。
埼玉ナンバーでもないのに少年は断言した。
逮捕状のことまで。
「なんだお前!?」
「神代龍志と言えばわかりますか?」
「あ!?龍志のチームの後輩か!?」
何とかするって言ったけど、そこまで把握できてんのか、あいつ!?
子供は穏やかにほほ笑みながら言う。
「神城さん、『GREAT STAGE』を、『龍勢威鎧』を取り逃がしたこと、あなたに申し訳ないと思ってるみたいですよ。」
「関係ない!」
「減給だけで済んだのは、あなたが現場に必要だからですよ。」
「龍志はここに来てるのか?来てるなら呼ん――――――――――――」
「突入、30分待って下さい。」
「はあ!?」
「30分経ったら、『GREAT STAGE SECOND』に入ってください。」
「馬鹿野郎!警察でもなんでもないガキがなに言ってやがる!?」
「警察の癖に、バカ取り逃がして、うちの縄張りで被害者作ってくれたのはどこの大人だよ!!?」
怒鳴りつければ、それ以上の迫力でメンチを切りながら低い声で言い放つ。
(『うちの縄張り』!?)
急変した態度もだが、その子供言った言葉が引っ掛かった。
「お前・・・龍志の仲間だよな?」
ピヨピヨピー!
「失礼。もしもし?」
声をもとのトーンに戻すと、スマホを取り出して耳に当てる少年。
「そうか。こっちはポリがダメだ。話が通じねぇ。わかった。無理させて悪いな。じゃあな。」
電話をきるとため息をついてから言った。


