闇カジノを仕切っていた暴走族・『龍勢威鎧』永山グレイトを捕まえるため、現場に突入直前という時に、あいつが俺のところに来た。
”たくちゃん”
”龍志!?”
”たくちゃん、瑠華、来てないか?連絡がつかないんだ。”
”はあ!?いくら愛しの彼女だからって、即警察に聞くか~!?”
”ただでさえ、永山グレイトがちょっかいかけてきてんだ!落ち着けるかよ!?”
”心配しなくても、復縁イベントは起きねぇよ!瑠華はお前にべたぼれだろうが!?”
”俺の方が惚れてんだよ!”
”わかったわかった!のろけはわかったから!”
”ああ!これ、永山グレイトをパクるのに使えそうな悪事の証拠!たくちゃんにやる。”
”またお前!?ありがてぇけど、素人が警察の真似すんな!”
”俺はヤンキーだ!””ヤンキーが探偵の真似すんな!”
”受け取らねぇの?”
”一般人の協力に感謝します。”
”なんだよそれ。素直じゃねぇーの~”
敬礼しながら手を出せば、悪事の証拠のUSBなどを手渡してくれた。
その時だった。
”うわ―――――!!神城龍志がポリとつるんでる!!”
”!?”
”っ!?”
棒読みの大声がした。
ヒュー!パンパン!!
それに続く爆音とまぶしい光。
”花火!?”
”『龍勢威鎧』か!?
俺と龍志がそれぞれ叫んだ時、俺の・・・埼玉県警の張り込みは失敗となった。
花火を合図にしていたのだろう。
永山グレイトに、逃げられてしまい、俺は龍志と一緒にいたことで、仲間の刑事にめいわくをかけ、解決するはずの事件ををダメにした。
(・・・うんさんくさかったんだよな。)
回想しながら思う。
俺と龍志と見て叫び、合図の花火をあげたやつは、手際がよすぎた。
まるで龍志が俺に会いに来るのを、わかっていたみたいな動きだった。
芝居がかった登場だった。
あとになって、鳴海瑠華が裏切ってスパイをしていたと亜都司から聞いたが、信じちゃいない。
(瑠華は、はめられたんじゃねぇのか・・・?)
どんな理由かわからないが、永山グレイトと共犯にならざるをえない状況になったか・・・あるいは、裏切ったというデマを流されても、否定できないでいるように見えた。


