彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




闇カジノを仕切っていた暴走族・『龍勢威鎧』永山グレイトを捕まえるため、現場に突入直前という時に、あいつが俺のところに来た。






”たくちゃん”

”龍志!?”

”たくちゃん、瑠華、来てないか?連絡がつかないんだ。”

”はあ!?いくら愛しの彼女だからって、即警察に聞くか~!?”

”ただでさえ、永山グレイトがちょっかいかけてきてんだ!落ち着けるかよ!?”

”心配しなくても、復縁イベントは起きねぇよ!瑠華はお前にべたぼれだろうが!?”

”俺の方が惚れてんだよ!”

”わかったわかった!のろけはわかったから!”

”ああ!これ、永山グレイトをパクるのに使えそうな悪事の証拠!たくちゃんにやる。”

”またお前!?ありがてぇけど、素人が警察の真似すんな!”

”俺はヤンキーだ!””ヤンキーが探偵の真似すんな!”

”受け取らねぇの?”

”一般人の協力に感謝します。”

”なんだよそれ。素直じゃねぇーの~”



敬礼しながら手を出せば、悪事の証拠のUSBなどを手渡してくれた。

その時だった。





”うわ―――――!!神城龍志がポリとつるんでる!!”

”!?”

”っ!?”





棒読みの大声がした。





ヒュー!パンパン!!





それに続く爆音とまぶしい光。





”花火!?”

”『龍勢威鎧』か!?





俺と龍志がそれぞれ叫んだ時、俺の・・・埼玉県警の張り込みは失敗となった。

花火を合図にしていたのだろう。

永山グレイトに、逃げられてしまい、俺は龍志と一緒にいたことで、仲間の刑事にめいわくをかけ、解決するはずの事件ををダメにした。






(・・・うんさんくさかったんだよな。)




回想しながら思う。

俺と龍志と見て叫び、合図の花火をあげたやつは、手際がよすぎた。

まるで龍志が俺に会いに来るのを、わかっていたみたいな動きだった。

芝居がかった登場だった。

あとになって、鳴海瑠華が裏切ってスパイをしていたと亜都司から聞いたが、信じちゃいない。





(瑠華は、はめられたんじゃねぇのか・・・?)





どんな理由かわからないが、永山グレイトと共犯にならざるをえない状況になったか・・・あるいは、裏切ったというデマを流されても、否定できないでいるように見えた。