彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)







「ちょっと、放しなさいよ都司子ちゃん!」

「もちろんだよ、瑠華姉さん!ちゃんと話すよ!」

「その『はなす』じゃない!あたしから離れてって意味よ!くっついたまま、凛道蓮の方に行かないで!」

「いえ、そのままでお願いします、瑠華さん。あなたにも、お願いしたいことがあります。」



(あたしにお願い?)



「何をさせようって言うの?」

「簡単です。」





あたしの前まで来ると、あたしを見ながらチョコちゃんは言った。






「僕に罵声を浴びせながら、乱暴にお店の外に放りだしてください。」

「なんですって!?」

「今すぐ、お願いします。」

「・・・。」






意味が分からず、渡瀬さんを見る。

渡瀬さんも目を点にしていたけど、あたしの視線に気づき、チョコちゃんを見る。





「えーと、意味があることなのかい、チョコちゃん?」

「あります!さあ!」





満面の笑みで、あたしに手を差し出す少年。

思わずその手を取れば、早く早く!とせがまれる。






「ま、待って。今くつを~」

「ガールズバーの時みたいな感じでお願いします!あ、セリフは『出ていけ、凛道蓮この野郎、こっちだってあんたの助けはいらない』でお願いします♪あ、こののトーンや言い方は、怒ってる感じにしてください。しゃべり方は瑠華さんにお任せしますから。」

「え?・・・わ、わかったわ・・・・」






いまいち意味が分からなかったけど、勧められるまま、チョコちゃんの襟首をつかむ。

自分よりも小さい体に罪悪感を覚えながら―――――――演じた。







「出ていけ――――――!!凛道蓮この野郎ぉ――――!!こっちだってあんたの助けはいらない!!!」







チョコちゃんの指示通り、勢いよく乱暴にお店の扉を開けてから、暴言まじえながら、お店の外へと叩きだした。