彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





「渡瀬さん・・・。」

「会いに行っちゃだめだよ。」





低い声で言われる。

彼の後ろには、渡瀬さんの言葉に同意するかのようにうなずいているスタッフ達の姿があった。





「・・・聞こえたの?」

「聞こえたし、盗み聞きした。警察に行こう。」

「警察・・・」





渡瀬さんと警察に行けば、確実に都司子ちゃんは保護してもらえる。

都司子ちゃんは保護してもらえるけど――――――――





「あ、あたし!け、警察に行くしかないの、瑠華姉さん!?そうなったら、確実に退学になるよぉ!あゆみが丘学園に入るために、たくさんお金がかかってるのに!あたしのお小遣いも削減されて!その息抜きで、小村におだてられて、ゲームにはまって・・・・なんでこうなったの!?なんで!?なんで!?うっうっうっ!わかってるよ、あたしが悪いのはー!わかってるけど・・・!!」

「助かるには、それしか方法はないわよ?」

(あたしは守ってもらえないわね・・・)





埼玉時代がそうだった。


むしろ警察では、偉人の仲間だって思われた挙句、傷口に塩を塗られる扱いを受けた。







「わかってるなら行こう、都司子ちゃん。悪いことした責任を取ろうね?」

「う、う、うっ!一人は嫌!瑠華姉さん!瑠華姉さんも一緒に来てぇ!」

「・・・わかった。付き添ったげる。大丈夫だから、心配しな――――――!」


「ちょっといいですか?」







場違いな穏やかな声。

渡瀬さんでも、他のNPOスタッフでもない発音。

その声の主を目でとらえた時、渡瀬さんが叫んでいた。







「チョコちゃん!?」

「こんばんは。チョコです。」







驚きの声をあげる渡瀬さんとは対照的に、落ち着いた優しい声で言う少年。

白の特攻服を身にまとい、口元から顔半分を隠すようにシルキロールで覆われた顔。

1歩、1歩、歩くたびに、ウルフカットの柔らかそうな髪の毛がフワフワ揺れる。

そんな彼と目が合った時、チョコちゃんは私に会釈しながら言った。