「あんな子と恋人同士とか、冗談にしてもタチが悪いわ!都司子ちゃんたら、どこでそんなデマ仕入れたの?」
「デマ・・・?じゃあ、ウソの情報なの・・・・?」
「そう言ってるでしょう?」
「そんな・・・!!」絶望したような声と顔でつぶやく少女。
「もう無理・・・!また誰かを差し出すなんて無理無理無理!」
「差し出すって?」
「・・・小村からもう一人連れて来いって言われて、電話がかかってきて、男の声で・・・・男の人に言われたの・・・!」
「なんて言われたの?」
「・・・瑠華姉さんを連れてくれば、今度こそ借金は0にするって・・・」
その言葉が終わらないうちに電話が鳴る。
都司子ちゃんのスマホだった。
「あ・・・!」
表示された画面を見て、女子高生の顔は真っ蒼になる。
「あ、あいつ!今話した男から・・・!」
「貸して!」
震える手からスマホを奪って、画面をタッチした。
「もしもし?」
〈ビンゴ!やっと瑠華ちゃんが出たぜ~〉
聞き覚えのある憎らしい声。
「違いますけど?」
〈そうだな!スマホは、吉田都司子のもんだ!けど、今電話に出てるのはお前だろう~鳴海、瑠・華?〉
わきあがる殺意。
〈NPOに吉田都司子が入ってくのは見てんだよ~久しぶりだな、瑠華?〉
「・・・二度と、その声は聴きたくなかったわ。永山・・・!」
〈昔みたいに、偉人って呼べよ~なぁ、また仲よくしようぜ?〉
「小村って言う悪趣味のガキとお付き合いしてんでしょ?」
〈焼きもちはやめろよぉ~あのことは、金で割り切ったお付き合いしてるだけだよ。〉
昔と変わらないとぼけた口調。
出会った頃は、人を笑わせるのが得意な明るい人だなんて思ってしまった。
だけど、今は違う。
相手の本性に気付いたから。
〈俺は惚れてんのは、今も昔もお前だけだぜ、瑠華?1年たっても、お前の身体が忘れられねぇーんだよ~!?〉
「ぶっ殺すわよ?」
〈ベッドの中で死ぬほどよくしてくれるってか!?ギャハハハ!〉
こいつの明るさは悪質で、人をおとしめる笑いが得意なクズ男。
その本性を理解した上で問いただした。


