彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





「・・・泣き虫ね、チョコちゃん・・・何で泣いてるのよ・・・。」

「だって!」



―こいつ反応しないよなー ―

―抵抗も足りないなぁ~裸にすれば、また違うか?―





「チョコちゃんには関係ないのに。」

「だって瑠華さんが!」



―おい、まだこいつ動くぞ!?―

―薬の効きが悪いのか!?―





「瑠華さんが・・・平気な風に言うから・・・!」

「・・・チョコちゃん・・・」



―今、大人の保健体育、教えてあげるからな~―

―それじゃあ~いただきまーす!―






「うっ・・・うう・・・!」






それ以上は、声が出なかった。






「ばか。」






耳元で声がしたと思ったら抱きしめられていた。

思わず相手の顔を見れば、私を見つめる悲しい目と視線がまじわった。

私をばかと言った口が、再び言葉をつむぐ。





「偉人は・・・龍志に連絡をしたタイミングに合わせて、亜都子ちゃんを龍志達のたまり場の前に置き去りにしていた。薬のせいで亜都子ちゃんは、偉人の居所を突き止めたあたりのことを覚えてなかった。覚えてなくて、よかったと思ってる。」

「なんで!?なんで・・・亜都子ちゃんに言わないのですか!?」

「言えるわけないでしょう!!?」





絞り出すような声で瑠華さんは言った。







「そんな話を亜都子ちゃんにしたら、自分を責めてしまうわ!あの子は傷つけたくなかった!!」

「瑠華さんが傷ついてるじゃないですか!?」

「あたしは慣れてるわよ!元々、男好きな女って、言われてたから平気よ!」

「今さら終わったことを―――話す気もないわ!レイプされかけた経験なんて、思い出したくもないからね!」

「じゃあ、どうして僕に話したんですか!?」

「わからないっ!!」







そう叫ぶ瑠華さんの表情は、苦痛でゆがんでいた。