「1つは、共犯である幹部の1人を主犯だということにして、主犯である自分を見逃してくれ。そうすれば、龍志がほしがってる違法カジノの犯罪データを渡すと言ってきたの。」
「はああ!?過去の自分の犯罪をなしにしろってことじゃないですか!?てか、共犯者に罪を着せるって、図々しいですよ!50歩100歩ですよ!?」
「そういうクズよ。仲間を主犯役に指名したのだって、その幹部、偉人より先にあたしに交際申し込みしてきた過去があってね・・・いまだに生意気だ、ムカつくからとか、うらみがあるんだって・・・わけわからないわ。」
「いえ、はっきりとクズだとわかります。」
「そうね。もう1つは・・・もう1つは、亜都子ちゃんを無傷で返すから、龍志達には内緒で、あたし1人で永山偉人のところに取りに来いって言われた。」
「・・・言う通りにしたのですね・・・・?」
「・・・うん。」
確認すれば、首を縦に振りながら答える瑠華さん。
「主犯は偉人で間違いなかった。親玉を逃がす真似も、ニセのデータを龍志に渡すのも嫌だったけど、亜都子ちゃんの安全の方が大事だった。亜都子ちゃんは兄とは違って堅気の娘。グレずに、日の当たる場所で生きてる子。汚されたくなかった―――・・・!」
「確かに・・・ヤンキーではなく、一般人ぽい妹さんでしたが・・・」
「一般人よ!間違っても、暗い世界に来ちゃダメな子。どうしても取り戻したかった・・・!だから偉人がいるって場所に、指示通り1人で行ったわ。亜都子ちゃんと引き換えに、警察の検問してる場所を伝えた。あとは、亜都子ちゃんを無事に連れ帰るだけで良かったはずだった。何事もなく終わるはずだと思ってたのに――――」
絞り出すように言う瑠華さんの態度で察した。
「―――――――もういいです。わかりました。」
その後、瑠華さんに何が起こったのか、聞かなくてもわかる。
本人の口からきくわけにはいかない。


