「あ・・・」
「・・・彼女から?」
「・・・おう。」
「出なさいよ。」
「・・・。」
トゥトゥトゥ!トゥトゥトゥ!
瑠華さんの言葉に答えることなく、スマホにも出ない神城さん。
無言でジッとしているうちに、呼び出し音は止まってしまう。
「瑠華・・・」
「帰って。」
何か言いかけた神城さんに、淡々とした口調で瑠華さんは言った。
「もう帰って、龍志。」
「瑠華、俺は―――――――――」
「龍志・・・・お願いだから、1人にして。」
「瑠華・・・。」
「1人して。」
真顔で言う瑠華さんに、無言で立ち上がる神城さん。
そして伝票を持つと、瑠華さんを見ながら言った。
「ここは俺が支払う。」
「ごちそう様。」
「それと―――――――俺のアドレスは、変わってない。」
「!?」
(え!?ここで、アドレス変わってません宣言するの!?)
「なんかあれば、凛道蓮じゃなく、俺を頼れ。」
そう言うと、瑠華さんの横を通り過ぎる男。
そこで私は、ハッキリと見た。
唇をかみしめ、表情をゆがめながら、つらそうに、瑠華さんから離れる神城さんと。
「――――――――!」
背を向けた男の方へと振り返り、手を伸ばして、大きく口を開ける瑠華さんを。
「・・・!」
「―――――・・・!」
だけれど――――――
「・・・。」
「・・・。」
「・・・!?」
(ああ・・・・)
瑠華さんは諦め多様な表情をすると、静かに手をおろしてしまった。
振り返っていた身体を元に戻すと、うつむいてしまうお姉さん。
その間に、会計を済ませて出て行ってしまうお兄さん。
(えええええ~~~~!?バッドエンド・・・・・!?)
2人共、あきらめるのが早すぎません!?
粘ってよ、瑠華さん!?
どうしよう!?
神城さん追いかける!?
私が呼び止めるか!?
いや、追いついたところで、どうやって瑠華さんのところに引き戻す!?
戻ってきてくれる!?
あー!瑠華さんが引き止めようとしてるところ、録画しとけばよかった!
何のためのスマホ録画機能なのー!?
あーうーと、1人でもだえていた時だった。
「彼女~♪フラれた系!?」
(なっ!?)
「よかったら、俺らと一緒に気分転換しようよー♪」
「良い店知ってんだ~♪」
「おごるから行こうぜ♪」
(なにー!!?)
見れば、数人の男が、瑠華さんに声をかけていた。
〔★瑠華に、新たな危険が迫っていた★〕


