彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





「あ・・・」

「・・・彼女から?」

「・・・おう。」

「出なさいよ。」

「・・・。」





トゥトゥトゥ!トゥトゥトゥ!





瑠華さんの言葉に答えることなく、スマホにも出ない神城さん。

無言でジッとしているうちに、呼び出し音は止まってしまう。





「瑠華・・・」

「帰って。」





何か言いかけた神城さんに、淡々とした口調で瑠華さんは言った。





「もう帰って、龍志。」

「瑠華、俺は―――――――――」

「龍志・・・・お願いだから、1人にして。」

「瑠華・・・。」

「1人して。」





真顔で言う瑠華さんに、無言で立ち上がる神城さん。

そして伝票を持つと、瑠華さんを見ながら言った。





「ここは俺が支払う。」

「ごちそう様。」

「それと―――――――俺のアドレスは、変わってない。」


「!?」

(え!?ここで、アドレス変わってません宣言するの!?)



「なんかあれば、凛道蓮じゃなく、俺を頼れ。」



そう言うと、瑠華さんの横を通り過ぎる男。

そこで私は、ハッキリと見た。

唇をかみしめ、表情をゆがめながら、つらそうに、瑠華さんから離れる神城さんと。





「――――――――!」





背を向けた男の方へと振り返り、手を伸ばして、大きく口を開ける瑠華さんを。





「・・・!」

「―――――・・・!」





だけれど――――――





「・・・。」

「・・・。」


「・・・!?」

(ああ・・・・)





瑠華さんは諦め多様な表情をすると、静かに手をおろしてしまった。

振り返っていた身体を元に戻すと、うつむいてしまうお姉さん。

その間に、会計を済ませて出て行ってしまうお兄さん。





(えええええ~~~~!?バッドエンド・・・・・!?)





2人共、あきらめるのが早すぎません!?

粘ってよ、瑠華さん!?

どうしよう!?

神城さん追いかける!?

私が呼び止めるか!?

いや、追いついたところで、どうやって瑠華さんのところに引き戻す!?

戻ってきてくれる!?

あー!瑠華さんが引き止めようとしてるところ、録画しとけばよかった!

何のためのスマホ録画機能なのー!?

あーうーと、1人でもだえていた時だった。





「彼女~♪フラれた系!?」



(なっ!?)



「よかったら、俺らと一緒に気分転換しようよー♪」

「良い店知ってんだ~♪」

「おごるから行こうぜ♪」



(なにー!!?)



見れば、数人の男が、瑠華さんに声をかけていた。



〔★瑠華に、新たな危険が迫っていた★〕