彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)





「・・・あ・・・・」

(落ち着きなさい、凛!)





殺すとか、そんなぶっそうな言葉、使っちゃダメだ!

そりゃあ・・・殺してやりたいぐらい腹が立つけど―――――――――!!





「・・・・・・・・・落ち着け、落ち着け、凛・・・・・・・・!!」

(こんな感情、こんな気持ち、瑞希お兄ちゃんに知られたくない!!)





必死で自分を落ち着かせる。





(ダメダメ!もうこの話は終わり!考えないように、考えないように、考えちゃダメ・・・!!)





別のことを考えて、気をまぎらわせる。



(バイク取りに行った瑞希お兄ちゃん達、早く帰ってこないかな。)



瑞希お兄ちゃんの後ろに乗せてもらって帰ろう。

おねだりして、瑞希お兄ちゃんにヨシヨシしてもらおう。

お店に戻ったら、瑞希お兄ちゃんに何か飲ませてもらって、おしゃべりができたらおしゃべりを―――――――





カッカッカッ!

「ん?」





ふいに、ヒールの高そうな靴が、激しく地面を進む音がした。

それも、自分が見ているマンションから聞こえてくる。

その靴音はだんだん大きくなってきたかと思うと―――――――





「あ!?」





私の目の前に、靴音の主が現れた。





「瑠華さん!?」





勢い良く、マンションの入り口から飛び出してきた瑠華さん。

その表情は、今にも泣きそうでな悲しそうなものだった。





「瑠華さん!」





名前を呼んだけど気づいてくれない。

そのまま瑠華さんは、私に気付くことなく走る。

どんどん、離れていく。




(え!?1人!?1人でどこに行くの!?)




なんとなく、1人で行かせてはいけない気がしたた。





ブロロロロロン!ブローン!!

ヴォーンヴォーン!!



「凛、お待たせ!ん?あれは・・・?」

「鳴海瑠華じゃんか?」





そこにタイミングよく現れる瑞希お兄ちゃんと烈司さん。

2人を待っていた身としては、ちょうどよかったと思いながら伝えた。





「すみません!僕ちょっと、行ってきます!」

「「え?」」

「すぐ戻るので、お待ちください!」





そう伝えて、まだ後ろ姿の見える瑠華さんを追いかけた。





「え!?おい、凛!?」

「どこ行くんだよ、凛たーん!?」





瑞希お兄ちゃんには悪いと思ったけど、瑠華さんを1人にしておけない。



〔★烈司にも悪いと思った方がいい★〕