「・・・あ・・・・」
(落ち着きなさい、凛!)
殺すとか、そんなぶっそうな言葉、使っちゃダメだ!
そりゃあ・・・殺してやりたいぐらい腹が立つけど―――――――――!!
「・・・・・・・・・落ち着け、落ち着け、凛・・・・・・・・!!」
(こんな感情、こんな気持ち、瑞希お兄ちゃんに知られたくない!!)
必死で自分を落ち着かせる。
(ダメダメ!もうこの話は終わり!考えないように、考えないように、考えちゃダメ・・・!!)
別のことを考えて、気をまぎらわせる。
(バイク取りに行った瑞希お兄ちゃん達、早く帰ってこないかな。)
瑞希お兄ちゃんの後ろに乗せてもらって帰ろう。
おねだりして、瑞希お兄ちゃんにヨシヨシしてもらおう。
お店に戻ったら、瑞希お兄ちゃんに何か飲ませてもらって、おしゃべりができたらおしゃべりを―――――――
カッカッカッ!
「ん?」
ふいに、ヒールの高そうな靴が、激しく地面を進む音がした。
それも、自分が見ているマンションから聞こえてくる。
その靴音はだんだん大きくなってきたかと思うと―――――――
「あ!?」
私の目の前に、靴音の主が現れた。
「瑠華さん!?」
勢い良く、マンションの入り口から飛び出してきた瑠華さん。
その表情は、今にも泣きそうでな悲しそうなものだった。
「瑠華さん!」
名前を呼んだけど気づいてくれない。
そのまま瑠華さんは、私に気付くことなく走る。
どんどん、離れていく。
(え!?1人!?1人でどこに行くの!?)
なんとなく、1人で行かせてはいけない気がしたた。
ブロロロロロン!ブローン!!
ヴォーンヴォーン!!
「凛、お待たせ!ん?あれは・・・?」
「鳴海瑠華じゃんか?」
そこにタイミングよく現れる瑞希お兄ちゃんと烈司さん。
2人を待っていた身としては、ちょうどよかったと思いながら伝えた。
「すみません!僕ちょっと、行ってきます!」
「「え?」」
「すぐ戻るので、お待ちください!」
そう伝えて、まだ後ろ姿の見える瑠華さんを追いかけた。
「え!?おい、凛!?」
「どこ行くんだよ、凛たーん!?」
瑞希お兄ちゃんには悪いと思ったけど、瑠華さんを1人にしておけない。
〔★烈司にも悪いと思った方がいい★〕


