彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「「せやせや!チェ~ンジチェンジ、マジカルチェンジ♪『ルートビア』という~字を一文字変えてー『ユートピア』!!うっはっはっはっ!これ飲んで、ユートピア感じた人は結構おるらしいでー!」

「いや、無理にマジカルチェンジしなくていいですよ。でもこれを飲むと・・・・楽園、気分・・・になれると?」

「うははは!!まっ!ネットの口コミも賛否やからなぁー!好みもみんな違うしなぁー!まずは自分らで飲んで確かめてみよか!?」

「そ、それもそうですね・・・」



ヤマトに誘われるまま、缶を開ける。



カチッ!

カチッ!



「「いただきまーす。」」



声をそろえて、同時に口づけ、私達は一口飲んだ。





「うっ!!?」

「ウォオウゥオウオォォォウオ――――――――――――ウ!!」

ブッ!

ブハッ!!




1口しか飲んでないはずなのに、一口以上の液体を口から吐き出した。




「うっ・・・!?なっ!?あっ・・・!?な、な、な、に・・・!?た、炭酸・・・!?」




口の中に残る残留物。

それがシュワシュワしているから、炭酸飲料だと思う。

しかし問題はそこじゃない。




(し、舌が!!味がぁああああああ!!?)




口の中全体に、鼻へ、喉へ、全身に伝わる『シップ』のような味。


シロップではない、『シップ=湿布』の味。




(この味はまるで、サロン――――――――!!?)

「パ――――――――――スッ!!!やないかぁーい!!!」




そ、そう!!

それっ!!!



(サロンパスだ!!!)



マズい!

無理!



(飲めない!!)

「うぅううううう!!」



(無理無理無理無理!いらないっ!!)



耐え切れず、ヤマトにルートピアを押し返した。



〔★凛の体は受け付けなかった★〕