彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




手に入った敵の情報を、鳥海とのやり取りとともにヤマトに伝えた。



「校門出る前から凛の後方に追ったで、あのアホ鳥。」



早い段階でヤマトは、鳥海の存在に気付いていた。



「凛、なに言われたんや?」



さすがに会話までは聞こえなかったらしく、ヤマトの方から話を振ってくれた。

未だに段ボールが片付いてないヤマトの家。

菅原凛から凛道連へ姿を変えた私は、鳥海からの理不尽な要求内容と一緒にアカウントのことも話した。

このアカウントを使って、違法なネットカジノをつぶせないか?と。

もちろん、凛道蓮が菅原凛のアカウントを使うことに、心配と危険があるということも伝えた。

テーブルをはさんで向かい合わせで、向き合いながら話す。

ヤマトが出してくれたほうじ茶を、口にする間もなくしゃべった。

私の話に、めずらしく黙って聞いてくれた親友は静かな声で言った。





「今日一日のことまとめて考えると、吉田と小村とアホ上一派は、グルで間違いない。」

「・・・うん。」





渕上と仲良くしてる時点で、答えは出ていたけど、改めて言われるとまだつらい。





「吉田に関しては、最初から凛をだますつもりで動いてたんなら、自分のスマホは使ってへん思う。凛の前で使ったスマホは、アホ村かアホ上から借りたダミーやろな。」

「ダミー?」

「せや。吉田の契約した携帯やのーて、アホ上かだれかが契約した使い捨てスマホやろう。吉田がそのダミーを自分のやゆーて、凛に話しとけば、警察で岩倉のアホが言った『吉田のスマホにゲームアプリで借金を作った証拠がない』のつじつまがあう。」

「・・・。」





―彼女のスマホからは、違法サイトのアプリはおろか、ゲームのアプリ自体、まったく入ってなかった。―

―消したってことですか!?―

―消した記録もない!最初から入ってない!登録もありませんでした!―





不愉快な感情と共に、嫌な思い出が脳裏によみがえった。





「そうですね・・・そうだと思います。警察も、『吉田』のスマホにゲームアプリが登録された形跡がなかったと言ってましたから・・・」





よっちゃんではなく、吉田と呼ぶ。





「そーか、『吉田』かぁ~」





そんな私に、フッと口元を緩めてからヤマトはうなずく。