ヤマトのおかげで、不安定な気持ちが落ち着いた。
菅原凛で凹んだ気持ちを、凛道蓮まで繰り越せない。
「ありがとう、ヤマト」
「少しは楽になれたかいな?」
「うん、マシになった。」
「凛、帰り、わしと一緒に帰ろう。コロナの時みたいに、距離とって歩けばええやん?わしの視界に入る範囲にいてーや。」
「ありがとう・・・でも、気持ちだけにするよ。」
警戒を解くわけにはいかない。
「昨日、瑞希お兄ちゃんのところへ行けなかった。」
「それはわしがごまかしとる!心配せんでええ!今日もごまかしたるさかい!あせって、凛道蓮にならんでええんだぞ?」
「いいえ、瑞希お兄ちゃんに会いに行く。」
「そない、無理せんでええやん?」
「無理じゃないの!『会いたい』の!」
瑞希お兄ちゃんの顔を見たい。
声が聞きたい。
その体に触れたい。
「そうすれば・・・自分を奮い立たせることができる・・・」
汚い思い出を、浄化できるんじゃないかと思った。
同時に、今の私に足りない物を得るために――――――
(瑞希お兄ちゃんへの愛をもらうためにも、ご本人に会わないとね!?)
〔★元気ではないのか?★〕
「・・・凛の言い分はわかった!せやから、尾行してさせてもらうで!」
「尾行って!?」
「1回うまくできたんや!それに~アホ上サイトが、なにか仕掛けてくるかもしれへんやろう」
「まさか・・・」
とは言ったけど、可能性は高いと思う。
(今までの流れを考えれば、今日の私に対する嫌がらせが・・・軽すぎる・・・)
「凛がイヤゆーても、わしはするからな?」
「・・・。」
そんなこともあって、私はヤマトの申し出を受け入れた。
ヤマトに見守られながら下校することを選択した。


