馬鹿力のヤマト。
だけど、この一撃は全く痛くない。
痛みなんてない、触れる程度の衝撃。
完全に茶化しているとしか言えない力加減。
(―――――――そんなことされたら―――――――――)
「――――――――うわぁあああぁぁぁ!!」
泣いてしまう。
泣くしかない。
「こ・・・怖かった!怖かったよ!」
「うん。」
「悔しい、悔しいよぉ!空手習ってたのに・・・反撃できなかった!悔しいよぉ!」
「うん。」
「と、と、友達だと!友達だと思ってたのに!親友だと思ったのに!よっちゃんは、よっちゃんは!私を利用しただけだった!」
「うん。」
「裏で渕上達とつながってた!今日だって、私の前で、あいつらと『タピオカドリンク飲みに行こう~』って、楽しそうにしてて・・・!誰のせいで私は、あんな思いをしたと――――!!」
「うん。」
「悲しいよぉ!こんな裏切り・・・ツライ!嫌だ!ひどい!こんな思いするぐらいなら、友達なんかいらない!菅原凛に友達はいらないっ!!いらないよぉ―――――・・・・!!」
「それでええ。」
涙と愚痴が止まらない私を、優しくヤマトが抱きなおす。
「ほしくなったら作ればええ。それまでは、友達はわし1人でええやろう?」
「ひっ、ひっぐ・・・う、うん・・・うん・・・!!」
「大丈夫や。『どっちの凛』とも、わしは友達や。ずっと、ずぅーっと、友達や。」
「・・・うん・・・!!」
「そうか、わしと友達でいてくれるんか?ありがとな、凛。おおきに。」
「・・・私も・・・ありがとう・・・」
ヤマトにギューとしがみ付きながら言えば、同じようにギューと抱き返してくれた。
私の体に触れていたヤマトの両手は、しばらくの間、私が泣き止むまでずっと、優しい動きで背中や肩や頭をなで続けてくれたのだった。


