彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




馬鹿力のヤマト。

だけど、この一撃は全く痛くない。

痛みなんてない、触れる程度の衝撃。

完全に茶化しているとしか言えない力加減。





(―――――――そんなことされたら―――――――――)

「――――――――うわぁあああぁぁぁ!!」





泣いてしまう。

泣くしかない。




「こ・・・怖かった!怖かったよ!」

「うん。」

「悔しい、悔しいよぉ!空手習ってたのに・・・反撃できなかった!悔しいよぉ!」

「うん。」

「と、と、友達だと!友達だと思ってたのに!親友だと思ったのに!よっちゃんは、よっちゃんは!私を利用しただけだった!」

「うん。」

「裏で渕上達とつながってた!今日だって、私の前で、あいつらと『タピオカドリンク飲みに行こう~』って、楽しそうにしてて・・・!誰のせいで私は、あんな思いをしたと――――!!」

「うん。」

「悲しいよぉ!こんな裏切り・・・ツライ!嫌だ!ひどい!こんな思いするぐらいなら、友達なんかいらない!菅原凛に友達はいらないっ!!いらないよぉ―――――・・・・!!」

「それでええ。」





涙と愚痴が止まらない私を、優しくヤマトが抱きなおす。





「ほしくなったら作ればええ。それまでは、友達はわし1人でええやろう?」

「ひっ、ひっぐ・・・う、うん・・・うん・・・!!」

「大丈夫や。『どっちの凛』とも、わしは友達や。ずっと、ずぅーっと、友達や。」

「・・・うん・・・!!」

「そうか、わしと友達でいてくれるんか?ありがとな、凛。おおきに。」

「・・・私も・・・ありがとう・・・」





ヤマトにギューとしがみ付きながら言えば、同じようにギューと抱き返してくれた。

私の体に触れていたヤマトの両手は、しばらくの間、私が泣き止むまでずっと、優しい動きで背中や肩や頭をなで続けてくれたのだった。