頭がボーとする。
夢を見ているような感覚。
身体は普通に動くのに、動かしている感じがしない。
たまり場として使っている第二理科室へ向かう。
着いたところで、勝手に作った合鍵で開錠(かいじょう)して、室内に入って静かに施錠(せじょう)する。
黒板の前の教壇に座って、もたれかかる。
起きているはずなのに、頭がちゃんと動かない。
瞬きするのも面倒くさくい。
ガチャ、ガラッ!
「凛。」
「・・・ヤマト・・・」
カギをかけた扉が開いて、見知った相手が入ってくる。
私と同じように鍵を閉めると、私の真横に彼は座った。
「調子はどうや?今日の学校、休んでもよかった思うぞ。」
いつもとは違うしゃべり方。なにがいつもと、違うんだろう。
「・・・休めないよ。授業に遅れちゃう。」
「ノートは無理でも、習った内容、わしが教えるくらいしたるで?」
「ヤマト、僕より勉強が苦手なのに、どうやって僕に教えるの?」
「ICレコーダーがある。なんなら、凛の教室にしかける&回収までしたるわ。」
「あー・・・なるほど。」
ああ・・・話し方じゃなくて、声の大きさかな?
いつもより、ヤマトの声が小さい。
だけどこれが、普通に話す場合の声の音量なんだけどね。
「ふふ・・・」
「どないした?」
「いえ・・・ヤマトの声が・・・」
「わしの声がなんやねん?」
「今日は違うね・・・。」
「――――――凛があないな目におーたのに、笑顔ヨロシクなんぞできるかいな!!」
「っ!?」
突然の大声にビックリした。
そんな私に、ヤマトも慌てた。
「あ~すまんすまん!ごめんな!?驚いたよな!?ごめんなー!?」
焦った声と表情で言いいながら、あやすような動きで私を抱きしめた。
「あ・・・」
強すぎず、ゆる過ぎずのハグ。
ヤマトの香りが鼻に伝わる。


