彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




頭がボーとする。

夢を見ているような感覚。

身体は普通に動くのに、動かしている感じがしない。

たまり場として使っている第二理科室へ向かう。

着いたところで、勝手に作った合鍵で開錠(かいじょう)して、室内に入って静かに施錠(せじょう)する。

黒板の前の教壇に座って、もたれかかる。

起きているはずなのに、頭がちゃんと動かない。

瞬きするのも面倒くさくい。





ガチャ、ガラッ!

「凛。」

「・・・ヤマト・・・」





カギをかけた扉が開いて、見知った相手が入ってくる。

私と同じように鍵を閉めると、私の真横に彼は座った。



「調子はどうや?今日の学校、休んでもよかった思うぞ。」



いつもとは違うしゃべり方。なにがいつもと、違うんだろう。



「・・・休めないよ。授業に遅れちゃう。」

「ノートは無理でも、習った内容、わしが教えるくらいしたるで?」

「ヤマト、僕より勉強が苦手なのに、どうやって僕に教えるの?」

「ICレコーダーがある。なんなら、凛の教室にしかける&回収までしたるわ。」

「あー・・・なるほど。」



ああ・・・話し方じゃなくて、声の大きさかな?



いつもより、ヤマトの声が小さい。

だけどこれが、普通に話す場合の声の音量なんだけどね。





「ふふ・・・」

「どないした?」

「いえ・・・ヤマトの声が・・・」

「わしの声がなんやねん?」

「今日は違うね・・・。」



「――――――凛があないな目におーたのに、笑顔ヨロシクなんぞできるかいな!!」

「っ!?」





突然の大声にビックリした。

そんな私に、ヤマトも慌てた。





「あ~すまんすまん!ごめんな!?驚いたよな!?ごめんなー!?」




焦った声と表情で言いいながら、あやすような動きで私を抱きしめた。



「あ・・・」



強すぎず、ゆる過ぎずのハグ。

ヤマトの香りが鼻に伝わる。