(ばかばかばか凛!!なんであんなこと言ったの!?)



後藤先生に、心を許したわけじゃなかった。

甘えたつもりもなかった。

なかったけど――――――





(私は1人じゃない。)





そう言い張ってしまった。



(今の私には、よっちゃんがいる。)



それなのに、『1人』って、言われたことにムキになってしまった。

同情されるような、あわれまれるような態度がイヤだった。

後藤先生にそんなつもりがないのだとしても、私にはそう思えた。



(私の馬鹿!1人じゃないって否定したばっかりに、よっちゃんと一緒にいることがバレたらどうするつもりなのよ!?)



―すがちゃん!―



ニコニコしながら私を呼ぶよっちゃん。



―私達、友達でしょう?―



私を友達だと言ってくれた。

対等で、平等で、いじめられる痛みがわかる、友達を―――――――



(なくすようなマネしちゃだめ!!)




「お、お待たせ!」

「え!?すがちゃん・・・!?」




息切れしながら体育館の裏に来た私を、よっちゃんは目を丸くしながら出迎えてくれた。



「大丈夫!?どうしたの!?追われてたの!?」

「う、ううん!違う!なんでもない・・・」

「本当に!?ちょっと気になるから言って!誰に嫌がらせされたの?」

「いや、本当に大したことじゃ・・・!」

「それでも気になるよ。私達――――――親友だよね?」



(親友・・・)



その言葉が嬉しくて・・・余計に、自己嫌悪が強くなってしまった。

嬉しいけど、不安になってしまった。

よっちゃんに・・・・・聞いてしまった。