彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「俺の方は大丈夫だった。問題は・・・瑠華ちゃんの方だったからね・・・というか、奴らの目的が瑠華ちゃんってわかってたから、瑠華ちゃんに気をつけてって連絡はしたんだけど・・・。」

「その直後に、チョコ達の接客をしている瑠華ちゃんのところに、GREATSTAGEの3馬鹿が突撃したんだよ。」

「手遅れでしたか!?」

「そうかもね~間に合ったとしても、瑠華ちゃんだけじゃ防ぎきれなかったと思うから、ある意味、チョコちゃん達のいる前で突撃してくれてよかったと思うよ。」

「す、少しでもお役に立てたのならいいのですが・・・」

「ちなみに渡瀬さんの方は―――――鳴海瑠華と連絡取れてるってことすか?」
瑞希お兄ちゃんの問いに、渡瀬さんは首を横に振る。

「ううん。絶賛、既読スルー中だね。」

「そうっすか。」

「既読はついてるのですね・・・」



既読してもらえてるんだ・・・



「薄情なもんだよ。」



がっかりする私の側で、丸山さんが不機嫌にぼやく。



「あいつ、俺よりも長く、渡瀬さんの世話になってるって言うのに・・・まだ信用できないのか・・・」

「いいえ、信頼してるからこそ、目は通してるんですよ。」



私なんて、返事どころか、既読もつかないのに。



〔★扱いの差が出ている★〕



「警察がアテにならないから、自衛するしかないね。」



(アテに出来ない・・・?)



その単語で、嫌な予感がした。



「あの・・・・・・・警察がアテにならないって・・・・・?」

「チョコちゃん、申し訳ない。チョコちゃんを巻き込む事態を、防げなかった。」



私の問いに、こちらを見ながら、渡瀬さんが謝罪した時だった。




ガラガラガラ!

「チョコちゃん、来てるかー!?」



出入り口の戸が開き、私を呼ぶ声がした。

視線を向ければ、よく知った人がいた。