「どんな風にデリケートなの?」
「え?それは~」
なんて言えばいいかな・・・
「やめてやれ、渡瀬さん!」
言葉に詰まっていたら、丸山さんが助けてくれた。
「チョコが嫌がってる!そういうのは―――」
「『親切じゃない』、だろう?わかってるよ。」
低い声で言う丸山さんに、明るい声で答える渡瀬さん。
「ごめんね、話が脱線したね。とりあえず、本題に戻します。チョコちゃん、単刀直入に言います。」
「は、はい!なんでしょうか?」
「瑠華ちゃんを許してほしいんだ。」
「え?僕が、許してもらう側じゃないんですか?」
「はあ!?」
「なっ!?」
「ええっ!?そう思ってたの!?」
私の返事に、丸山さんも瑞希お兄ちゃんも渡瀬さんもギョッとする。
「違うのですか・・・?」
「うわ~・・・心が広いなぁー・・・」
感心したように言うと、君でいた腕を下げて、椅子の背もたれにもたれかかる渡瀬さん。
「本当にチョコちゃんは人間が出来てるね・・・優しいというか、寛大と言うか・・・立派だよ。大人顔負けだ。心が広い。」
まるで褒めるように言われ、気まずくなる。
「美化しすぎですよ・・・。」
気まずいながらも、自分の考えをみんなに伝えた。
「心が広いかどうかはわかりません。ただ、僕の何が、瑠華さんの気に触ったかわからなくて・・・あ、そういえば今日、瑠華さんはいらっしゃるんですか?」
「ううん、当分休むって。」
「当分!?」
「そう。実はね~ガールズバーでチョコちゃんがもめた連中、瑠華ちゃんのお店に行く前に、うちに来てたんだよね~」
「え!?ここも襲撃されたんですか!?」
「渡瀬さん、突撃の方が正しいでしょ?」
「突撃!?」
「そうかもね~もちろん、門前払いしたけどねー」
「塩対応ですか!?大丈夫だったんですか!?」
「心配しなくても平気だよ、チョコちゃん。」
丸山さんの指摘にのん気に答える渡瀬さんにツッコミを入れれば、穏やかに返してくれた。


