彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「どんな風にデリケートなの?」

「え?それは~」



なんて言えばいいかな・・・



「やめてやれ、渡瀬さん!」



言葉に詰まっていたら、丸山さんが助けてくれた。



「チョコが嫌がってる!そういうのは―――」

「『親切じゃない』、だろう?わかってるよ。」



低い声で言う丸山さんに、明るい声で答える渡瀬さん。



「ごめんね、話が脱線したね。とりあえず、本題に戻します。チョコちゃん、単刀直入に言います。」

「は、はい!なんでしょうか?」

「瑠華ちゃんを許してほしいんだ。」

「え?僕が、許してもらう側じゃないんですか?」

「はあ!?」

「なっ!?」

「ええっ!?そう思ってたの!?」



私の返事に、丸山さんも瑞希お兄ちゃんも渡瀬さんもギョッとする。



「違うのですか・・・?」

「うわ~・・・心が広いなぁー・・・」



感心したように言うと、君でいた腕を下げて、椅子の背もたれにもたれかかる渡瀬さん。



「本当にチョコちゃんは人間が出来てるね・・・優しいというか、寛大と言うか・・・立派だよ。大人顔負けだ。心が広い。」



まるで褒めるように言われ、気まずくなる。



「美化しすぎですよ・・・。」



気まずいながらも、自分の考えをみんなに伝えた。



「心が広いかどうかはわかりません。ただ、僕の何が、瑠華さんの気に触ったかわからなくて・・・あ、そういえば今日、瑠華さんはいらっしゃるんですか?」

「ううん、当分休むって。」

「当分!?」

「そう。実はね~ガールズバーでチョコちゃんがもめた連中、瑠華ちゃんのお店に行く前に、うちに来てたんだよね~」

「え!?ここも襲撃されたんですか!?」

「渡瀬さん、突撃の方が正しいでしょ?」

「突撃!?」

「そうかもね~もちろん、門前払いしたけどねー」

「塩対応ですか!?大丈夫だったんですか!?」

「心配しなくても平気だよ、チョコちゃん。」



丸山さんの指摘にのん気に答える渡瀬さんにツッコミを入れれば、穏やかに返してくれた。