「『おじさんの孫のチョコちゃんを、あの瑠華ちゃんがぶっ飛ばした!』って、渡瀬さんに通報してきたんだぞ?」
「いや!ぶっ飛ばされてはいませんよ!?」
「てか、凛は孫じゃねぇーっすよ。」
「でも、暴力は振るわれたんだろう?」
「そ、それは~・・・」
丸山さんの言う通りだけど、そうだと言いにくい。
「ほら!同じ口ごもるなら、これ食いながらにしろ!」
そう言って差し出してきたのは――――
「プリッツ!?」
グラスに入れられたスティック状の焼き菓子だった。
おしゃれな出し方だと思っていたら言われた。
「定番のサラダ味だ。食え。」
「瑞希お兄ちゃん、お先にどうぞ。」
「兄ファーストしなくていいって!凛が勧められたんだから、凛が先に食べなさい。」
「でも・・・」
「いいから!お兄ちゃん命令だ!」
「頂きます♪」
そう言われたら、食べないわけにはいかない。
「美味しー♪」
「聞きしに勝るブラコンぶりだ・・・」
「ここまでとはねぇ~」
「いや~ははは!いつまで立っても甘えん坊で困ってるんすよ~」
「その割には瑞希君、まんざらでもない顔してるよね?」
「噂通りのブラコン兄弟だ・・・」
〔★瑞希の自慢、大人2人は納得した★〕
「えーと、兄弟愛の話はここまでにして~大原会長の話が出たなら、ちょうどよかったかな?」
(ん?ちょうどよかったって??)
渡瀬さんの言葉で言った本人を見れば、彼は瑞希お兄ちゃんを見ていた。
相手の視線を受け瑞希お兄ちゃんは、椅子の背もたれにもたれかかりながら言った。
「そうっすね・・・。パトロール隊員の一員として、片づけちまおうと、『大人』として思ってますね。」
「チョコは巻き込まないよな?」
そう言ったのは丸山さん。
厨房に戻ることなく、私の横に立った状態で聞いてきた。
これに瑞希お兄ちゃんは、目だけを丸山さんに見る。


