「大丈夫ですよ、吉田さん。大丈夫・・・」
「うっ・・・!」
なぐさめ、元気づける意味で、背中をなでながら言う。
「毎日――――・・・毎日毎日、ゲームのポイントを増やすことばっかり、考えてた!」
とたんに、せきを切ったようにしゃべり始める。
「1日に500ポイント稼いでるって言ったけど、1日中、やり続けて500ポイント・・・!朝起きてから夜寝るまで、ずーっとゲームアプリを触り続けなきゃ稼げない500ポイントなの!休み時間だけじゃなくて、授業の合間も、ご飯食べる時も、お風呂も・・・平日も休日も関係なくしてる・・・!いつもやりつづけて500ポイント!!マイナスは増えても、プラスは増えなくって苦しかった!時間がなくてつらかった!あいつらからの脅しにおびえて怖かったけど―――――――!」
鼻をすすった後で、吉田さんは嘆く。
「あいつらの目を気にして・・・毎日が恐怖で・・・」
「・・・わかります。つらかったでしょうね・・・」
「うん・・・」
(これは精神的に、かなり追いつめられてるな・・・)
ポイントを稼がなきゃいけないというプレッシャー・・・わかっちゃいるけど止められない状態になってる。
「毎日毎日、まるでサラリーマンの営業や保険のセールスみたいにノルマに追われて・・・全然、女子高ライフじゃない・・・!」
「そうでしょうね。」
「・・・代わってくれる?」
「え?」
代わるって?
聞き返せば、彼女は慌てたように言った。
「じょ、冗談だよ!菅原さんが私の代わりにポイントを稼いでくれたらなぁーと・・・・」
「無理ですね。」
(そんな時間がれば、瑞希お兄ちゃんに捧げるわ、ボケ。)
〔★凛の自由時間は、すべて瑞希にささげている★〕


