彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「大丈夫ですよ、吉田さん。大丈夫・・・」

「うっ・・・!」


なぐさめ、元気づける意味で、背中をなでながら言う。


「毎日――――・・・毎日毎日、ゲームのポイントを増やすことばっかり、考えてた!」


とたんに、せきを切ったようにしゃべり始める。


「1日に500ポイント稼いでるって言ったけど、1日中、やり続けて500ポイント・・・!朝起きてから夜寝るまで、ずーっとゲームアプリを触り続けなきゃ稼げない500ポイントなの!休み時間だけじゃなくて、授業の合間も、ご飯食べる時も、お風呂も・・・平日も休日も関係なくしてる・・・!いつもやりつづけて500ポイント!!マイナスは増えても、プラスは増えなくって苦しかった!時間がなくてつらかった!あいつらからの脅しにおびえて怖かったけど―――――――!」


鼻をすすった後で、吉田さんは嘆く。


「あいつらの目を気にして・・・毎日が恐怖で・・・」

「・・・わかります。つらかったでしょうね・・・」

「うん・・・」

(これは精神的に、かなり追いつめられてるな・・・)


ポイントを稼がなきゃいけないというプレッシャー・・・わかっちゃいるけど止められない状態になってる。


「毎日毎日、まるでサラリーマンの営業や保険のセールスみたいにノルマに追われて・・・全然、女子高ライフじゃない・・・!」

「そうでしょうね。」

「・・・代わってくれる?」

「え?」

代わるって?


聞き返せば、彼女は慌てたように言った。



「じょ、冗談だよ!菅原さんが私の代わりにポイントを稼いでくれたらなぁーと・・・・」

「無理ですね。」

(そんな時間がれば、瑞希お兄ちゃんに捧げるわ、ボケ。)



〔★凛の自由時間は、すべて瑞希にささげている★〕