彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




ヤマトの爆走で、早々に『felicita(フェリチータ)』へ到着し、瑞希お兄ちゃんのバイクの後ろに乗ってNPO法人夜回りグループミライの本部である食堂へ向かった。



「ちわっす!」

「こんばんは・・・。」

「お!いらっしゃい、瑞希君、チョコちゃん。呼び出してごめんね?」

「いえ。お待たせしましたか、渡瀬さん?」

「まったく待ってないよ。」



瑞希お兄ちゃんの言葉に相手は笑顔で答える。

食堂の中には、家出少女事件で知り合ったNPOの大人がいた。

こっちこっちと、手招きされ、彼が座っている机の向かいに瑞希お兄ちゃんと並んで腰を下ろした。



「お腹すいてるでしょう?ご飯食べる?」

「大丈夫です。」

「遠慮しなくていいよ。チョコちゃん、何食べる?」

「お、お気持ちだけでいいです。」

「だーかーら!遠慮しなくていいよ。じゃあ、暑いから水分補給はしとこう?お飲みよ。ね?」

「すんません。凛、お言葉に甘えよう。」

「はい、ありがとうございます。」

「どういたしまして~そういうわけだから、おねがーい!」



厨房の方に向かって渡瀬さんが叫べば、答える声とともにその人は現れた。



「はいよ、お待たせ!」

「え!?丸山さん!?」



ドリンクを持ってきてくれたのは、前回お世話になった丸山さんがエプロン姿で現れた。



「こちらに就職したのですか!?」

「違う。時々、手伝ってるだけだ。」

「そうだったんですか!?よかったです!」

「よかったって?」

「だって、まだまだ暑い時期なのに、野生で頑張ってるのかと思うと気になりまして。」

「やせい!?」

「ぶっ!!」



ギョッとする丸山さんと、コーヒーを噴き出す渡瀬さん。



「このバカ凛!」

ポコ!

「痛い!?」

「すんません!丸山さん!すんません!!」



私の頭を叩くと、その叩いた手で私の後頭部をつかんで下げさせる瑞希お兄ちゃん。