「あら・・・あなた、そのこと知ってて、ここにきてるわけ?」
「い、いえ!私は~」
それまでとは一変して、鋭い目つきで見られる。
「・・・大丈夫よ、話してちょうだい。あたし、龍星軍にかかわりのある人間だから。」
「え!?凛君のお知り合いですか!?」
「!?・・・私は鳴海瑠華。あなた、東山高校の子ね?変装してるんでしょう?『ココ』って名前も偽名じゃない?」
「は、はい!本当は小林涼子って言います・・・」
「わかったわ。」
そう言うと、静かにスマホを持ち主の横に置く美女。
「こういう奴から逃げるが勝ちよ。突き飛ばしてでも、仲間のところに逃げなきゃダメよ?」
「ご、ごめんなさい!」
「ううん、謝ることじゃないわ。でも、世の中、悪い男もいるからね。覚えてて。」
「はい!ありがとうございました!」
「素直でよろしい。」
その人は、かつらをかぶりなおすと私を見ながら言った。
「行きましょう。」
出ようと言われたけど、
「あの人はどうすんですか?」
のびている人が気になった。
「放っておきましょう。私達みんな、帰るんだから。」
助けてくれたお姉さんは、ポニーテールじゃなくて、ショートヘアだった。
しかも美人で、強くて、かっこいい人。
私をかばうような姿勢で言うと、素早く男女兼用トイレから出る。
そして数歩、歩いたところで彼女は私に言った。
「今日はみんなと帰った方がいいわ。本物の一ノ瀬ますみちゃんと、高千穂カンナちゃんともう一人の子と・・・私も付き添うから、今すぐここを出ましょう。」
「はい!」
その方がいい。
でも、関山さんになんて説明すれば――――――
「ココちゃん!」
「せ・・・リンダちゃん!」
タイミングよく、関山さんが来てくれた。
私達を見るなり、ホッとした顔で近寄ってくる。


