彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「ダメよ~1人でトイレ行く時は、女子トイレにしなきゃ。混んでても待たなきゃダーメ。そうじゃないと、こういう馬鹿と遭遇するからね?」



笑顔で言いながら、手袋をした手を差し出してくれた。

迷わずにその手を握れば、優しく手を引いてくれて、肩を抱いてくれた。



「あ、あ・・・!」



言葉が上手く出ない。ホッとしたのが半分と怖かったのが半分。



「わかったわね?」



その言葉で、首を何度も縦に振れば、良い子と言って頭をなでてくれた。





「行こうか?」

「待てコラ!」





立ち去ろうとしたら、低い声が上がる。

再び、身体が震えた。



「今の暴行罪だぞ!警察に訴えるからな!?」



気持ち悪い男が、勝ち誇ったように言う。

これにお姉さんは・・・





「ふふふ・・・言えば?」





全く動じない。



「お前終わりだぞ!警察を呼ぶからな!」

「呼べば?手間が省けるわよ、脅迫犯。」

「なんだと!?」

「18歳未満の子に、あんな迫り方したら、脅迫罪が成立するってわからないのね~だからモテないのよ、自己中のキモイ馬鹿男!」



私を自分の背後へと隠しながら笑い飛ばすお姉さん。



「もういっぺん言ってみろや!」



それに顔を赤くして、怒鳴り言いながら近づいてくる。

近距離でにらみ合う2人。



「マジで警察呼ぶからな!?暴言はいたのはお前が先だぞ、アバズレ!?」

「どうやって呼ぶの?キモイ坊やが呼べるわけないじゃなーい?」

「それ俺のことか!今通報してやるからな!?」



そう言って、スマホを取り出す動きをするけど―――――



「な、ない!?どこいったんだ、スマホ!?」



肝心のスマホが見つからないらしい。