「ダメよ~1人でトイレ行く時は、女子トイレにしなきゃ。混んでても待たなきゃダーメ。そうじゃないと、こういう馬鹿と遭遇するからね?」
笑顔で言いながら、手袋をした手を差し出してくれた。
迷わずにその手を握れば、優しく手を引いてくれて、肩を抱いてくれた。
「あ、あ・・・!」
言葉が上手く出ない。ホッとしたのが半分と怖かったのが半分。
「わかったわね?」
その言葉で、首を何度も縦に振れば、良い子と言って頭をなでてくれた。
「行こうか?」
「待てコラ!」
立ち去ろうとしたら、低い声が上がる。
再び、身体が震えた。
「今の暴行罪だぞ!警察に訴えるからな!?」
気持ち悪い男が、勝ち誇ったように言う。
これにお姉さんは・・・
「ふふふ・・・言えば?」
全く動じない。
「お前終わりだぞ!警察を呼ぶからな!」
「呼べば?手間が省けるわよ、脅迫犯。」
「なんだと!?」
「18歳未満の子に、あんな迫り方したら、脅迫罪が成立するってわからないのね~だからモテないのよ、自己中のキモイ馬鹿男!」
私を自分の背後へと隠しながら笑い飛ばすお姉さん。
「もういっぺん言ってみろや!」
それに顔を赤くして、怒鳴り言いながら近づいてくる。
近距離でにらみ合う2人。
「マジで警察呼ぶからな!?暴言はいたのはお前が先だぞ、アバズレ!?」
「どうやって呼ぶの?キモイ坊やが呼べるわけないじゃなーい?」
「それ俺のことか!今通報してやるからな!?」
そう言って、スマホを取り出す動きをするけど―――――
「な、ない!?どこいったんだ、スマホ!?」
肝心のスマホが見つからないらしい。


