彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



「そのゲームアプリ・・・登録者に対して、1日1回はゲームしないといけないペナルティーとかあるんですか?」

「ないけど?」

「なのに、1日で稼いだ金額すべてで、ゲームしちゃうんですか?」

「仕方ないでしょう!?そうしないと、借金減らないもん!」

「じゃあ、減ってるんですか?」

「っ!増えてるけど、何もしないままじゃ不安なの!」


「・・・。」

(こりゃダメだ。)


精神的に、かなり追いつめられてるな。



(不安を取り除くため、仮に1日1勝負だけとしても、必ず勝てるとは限らない。特に、今の吉田さんの精神状態じゃ、ゲームをしても勝てないと考えた方が良い。そうなると、毎日500ポイント減って行ってるから・・・借金を増やしているだけだな・・・。)



「吉田さん、毎日500ポイントゲットできてるなら、今日から使わないでためていきましょう。」

「え!?それはできないよ!」

「できないではなく、『する』のです。現状だと、毎日500ポイントの損失が出てる方が多いのでしょう?塵も積もれば山となる、ですよ。地道に返しましょう?」

「それは私がわかってる!だけど小村さん達が・・・」

「なんです?」

「『貸してるポイント、早く返せ!手持ちのポイントがないなら貸してやる!貸したポイントを使って返済しろ!』って言って、毎日ゲームをさせるの!!毎朝、ログインしてゲームしてるかチェックされるのよ・・・!!」


「え!?」

(マジかよ!?あのクズメス共・・・!!)



腹が立ったと同時に、嫌な予感がした。