彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




〈あいつらの評判が超悪いの!!絶対、りっ君を利用するために近づいてるわけなのよ!そもそも、GREAT STAGEってゆーのは、暴走族が半グレ化してカジノの商売してる馬鹿の集まりなの!カジノしてる場所が、龍星軍の縄張りだから~このままだと、りっ君が動くことになるかもしれないじゃん!?ますみ的には、凛道ガールって立ち位置は悪くないけど~このままだと、同じ凛道ガールの高千穂カンナとの差が開いちゃうってゆ~か~〉

「龍星軍の縄張り?高千穂さんとの差?」

〈つまり~ますみと小林涼子で組んで~りっ君の負担軽減のために、カジノで潜入調査して~お役に立つ+高千穂カンナよりも好感度アップさせたいの!いいわね?〉

「えっ!?潜・・・!?えええ!?」

〈そう!だから明後日の放課後、予定空けといて!〉

「え!?な、なぜですか?」

〈変装してカジノに乗り込むからに決まってるでしょ!?ますみだって、今すぐ行きたいけど、雑誌の表紙の撮影で北海道にいるの!そっちにいないから、明後日なの!てことだから、心の準備しといてねー?間違っても、りっ君にチクらないでね!?他の人にもよ!?木村があんたを、ますみのとこまで送迎してくれるから、よろしくー〉

プッ!

「え?」



電話の相手は・・・本当に自分が言いたいことだけ言って、電話を切ってしまった。

私は・・・質問はおろか、一之瀬ますみさんの言葉を復唱するだけで、なにも話はできなかった。





(半グレ経営のカジノ!?ボディーガード!?凛道ガール!?放課後の潜入!?)
凛君、また危ないトラブルに巻き込まれてるの?





とりあえず―――――――



「・・・木村さんって、誰・・・?」

「あたしでーす♪」



そう言って、笑顔で私の肩を叩いてきたのは、最初に話しかけてきたヤンキー女子さん。

・・・楽しいというわけではないけど、つられる形で、私も笑顔を作った。



〔★涼子への巻き込まれ事故が発生した★〕