彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




廊下に出たら、久美子ちゃんを含めた4人が私と距離をとる。

気を遣ってくれてるのかな?と察しながら、スマホを耳にあてた。





「・・・もしもし?」

〈おっそーい!電話に出るが、遅すぎる!〉





聞えてきたのは、不機嫌だけど可愛い声。



「え?ど、どちら様ですか?」

〈りっ君みたいなボケはいらないのぉ~!りっ君ならいいけどさぁ~!今あんたは、お姉ちゃんの仲間のスマホで話してんでしょ~小林涼子!?〉

「あ!?一之瀬ますみさん!?」

〈やっとわかった?〉



相手は桃山女学院の一之瀬ますみさんだった。

桃山学院の美少女コンテストで1位を取ってる人で、モデルなどの仕事もしている可愛い人。

性同一性障害と向き合い、なりたい自分になるために頑張ってる女の子だと凛君が言っていた子。



「なんで・・・一之瀬さんが?」

(私に電話を??)

〈もぉ~!『なんで?なんで?』はいいから!用件だけ言うから、ちゃんと聞いてよ?〉

「よ、用件って、なんですか・・・?」

〈あのさー今、ムカつく族がいるの~『GREAT STAGE』って組織でぇー高千穂カンナ達龍星軍目当てで、出向いてきてるでしょう~?〉

「ぐ、GREAT STAGEというのかわかりませんが、それらしい人が来てます。」

〈あれね、りっ君達を、仲間にしようとしてんじゃないかって噂があってさ~マジでばっかよねぇ~キャハハ!〉

「仲間!?凛君達の龍星軍に入りたいってことですか?」

〈そんなわけないでしょ!?〉



私の疑問に、一ノ瀬さんは一気にしゃべる。