彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




凛君から、凛道ガールの話を聞いていないことも混乱に拍車(はくしゃ)をかけた。



「違います!違います!!誤解ですよ!凛君が私なんかに愛なんて!恐れ多いカン違いですっ!」

「はは!そういう謙虚なとこ、凛道さんも好きなんでしょうね~」

「好・・・!?と、とんでもない!どうか、からかわないで下さい・・・!」



真っ白になる頭と、熱くなる顔で、全力で否定する。

だけどレディースの皆さんは、ほがらかな笑みで首を横に振る。



「いいんすよ、いいんすよ。うちの姫と並ぶだけあって、良い性格してるのはわかってますから。」

「だよな~猫かぶり破りっ子だったら、チーム破門覚悟で消そうと思ったけどよ~マジで良い子だもんな~小林さん!」

「つーことで、うちの『姫』が小林さんと話したいってことなんで~よろしく!」

「え?」



そう言って、キラキラした物体・・・スマホを私に差し出してきた。



「ひ、姫って・・・?」

(誰・・・??)



聞き返しながら、反射的に受け取ってしまったスマホ。

画面を見れば、通話中の表示。



「え!?い、いつから・・・!?」

「お名前呼んで、話しかけた時からっす。」

「最初からなんですね!?」

「涼子!待たせたら悪いから早く出なよ!?」



私が受け取ったスマホの画面をのぞき込んだ久美子ちゃんが言う。



「お金だって、もったいないよ!あと、話すなら教室の外で話しなよ!聞かれたらよくないかもしれないから!」

「え?え!?ええ?」



そう言うなり、私の手を引いて教室の外へと向かう久美子ちゃん。

その動きに合わせるように、レディースの女子3人が、私達を守るように囲む。

そこで私は、そんな私達を、クラスメート達が食い入るように見ているのに気づく。

私達を見ているクラスメートの視線は・・・私みたいな地味な子には不釣り合いな物だと思えた。