「そんなことないわけない!あんたは凛道蓮に気に入られてるの!」
ほんわかな凛君を思い浮かべていたら、久美子ちゃんから強烈な声を浴びせられた。
「誰が見てもあんたは凛道さんに好かれてるよ!自覚しなよ?」
「ちょ、久美子ちゃん!?」
「そうじゃなきゃ、先輩にからまれてるのを助けてくれないでしょ?」
「ちょ!?しー!静かに!」
「涼子と凛道さんが仲いいのは、みんな知ってるんだから、隠したって無意味よ!」
「え!?そうなの!?」
「現に今だって、見守り要員が来てるわよ?」
「え?見守り?」
久美子ちゃんの視線の先を見れば、同じ学年でも有名な女子達が数名、教室の入り口にいた。
高千穂さんと同じカテゴリーの・・・
(ヤンキー女子さん達・・・)
「あれって・・・6組の・・・?」
「そうだよ。全員、『サラスヴァティー』のメンバー。」
「え!?もしかして、私みたいなのが凛君に優しくされるのは分相応だから、呼び出すために来たのかな・・・!?」
「どんだけ被害妄想がひどいの!?そんなわけないでしょ!?『小林涼子の見守り要員』って、言ったよね!?」
「ど、どういうこと!?」
「小林さぁ~ん。」
久美子ちゃんに聞き返した時、甘い香りがした。
「あ!?」
「「「ちわっす。」」」
甘い香りの発生源は、教室の入り口にいたはずの人達。
女性のみの暴走族、レディースの『サラスヴァティー』のメンバーの方々だった。
(い、いつの間に近く!?)
〔★涼子は距離を詰められた★〕
「あ、えっと、こんにちは・・・」
「大丈夫っすよ。」
戸惑う私に、そのうちの1人が笑顔で言う。
「龍星軍の皆さんを呼び出してる族が、こっちに殴り込みしてきたとしても、自分らが小林さん守りますんで。」
「え?」
殴り込・・・?守る?
「ま・・・守るって、私をですか!?」
「当然っす!」
思わず聞き返せば、そのうちの1人がどや顔で教えてくれた。


