彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




(・・・『友達がいない』・・・か。)



「ち、違うの!ごめんなさい!違うの、菅原さん!」

「・・・気にしません。」


そうとも。

言われなくてもわかっている。



(『菅原凛に友達がいない』ことなど、自分が一番よくわかっている。)



気まずい空気が流れる。

しかしそれは、私にとっては好都合だった。



「少し、冷静になりましょう。」

「う、うん。」


興奮気味だった吉田さんを、大人しくさせる流れにできたから。

私の言葉に、再度、「ごめんなさい」とつぶやく吉田さん。

ため息が出そうになるのを飲み込むと、静かな声で聞いた。


「小村さん達に返さなければいけないポイントは、どれぐらいあるのですか?」

「・・・・2454987万ポイント・・・」

「あなたが1日に稼げるポイントは?」

「・・・500ポイント。」

「なるほど・・・1年365日で、うるう年もかんがえれば、毎日返して10年でも四捨五入して1900000万ポイントだから・・・返済に10年以上ですね。」

「え!?すごい!一瞬で計算できるの!?」

「がり勉ですからね。」


そう答えれば、少しだけ吉村さんが笑顔になる。

話が進めやすい雰囲気になるのを感じながら、続けざまに質問した。



「ちなみに、1ゲームにかかるポイントはいくらですか?」

「500ポイント・・・」

「え!?1回で、ですか・・・!?」

「・・・うん。」

「・・・1日、平均して何回ぐらいゲームするんですか?」

「わからないよ!とにかく、時間いっぱいできるまでしてる!」


「それは・・・」

(無計画だ。)


しかも、1日で500稼げるのに、1回のゲームが500って・・・



〔★負債が出来て当たり前の連鎖だ★〕