(・・・『友達がいない』・・・か。)
「ち、違うの!ごめんなさい!違うの、菅原さん!」
「・・・気にしません。」
そうとも。
言われなくてもわかっている。
(『菅原凛に友達がいない』ことなど、自分が一番よくわかっている。)
気まずい空気が流れる。
しかしそれは、私にとっては好都合だった。
「少し、冷静になりましょう。」
「う、うん。」
興奮気味だった吉田さんを、大人しくさせる流れにできたから。
私の言葉に、再度、「ごめんなさい」とつぶやく吉田さん。
ため息が出そうになるのを飲み込むと、静かな声で聞いた。
「小村さん達に返さなければいけないポイントは、どれぐらいあるのですか?」
「・・・・2454987万ポイント・・・」
「あなたが1日に稼げるポイントは?」
「・・・500ポイント。」
「なるほど・・・1年365日で、うるう年もかんがえれば、毎日返して10年でも四捨五入して1900000万ポイントだから・・・返済に10年以上ですね。」
「え!?すごい!一瞬で計算できるの!?」
「がり勉ですからね。」
そう答えれば、少しだけ吉村さんが笑顔になる。
話が進めやすい雰囲気になるのを感じながら、続けざまに質問した。
「ちなみに、1ゲームにかかるポイントはいくらですか?」
「500ポイント・・・」
「え!?1回で、ですか・・・!?」
「・・・うん。」
「・・・1日、平均して何回ぐらいゲームするんですか?」
「わからないよ!とにかく、時間いっぱいできるまでしてる!」
「それは・・・」
(無計画だ。)
しかも、1日で500稼げるのに、1回のゲームが500って・・・
〔★負債が出来て当たり前の連鎖だ★〕


