いろいろ思うところはあったが、吉田さんの現状はわかった。
「つまり・・・小村さん達からポイントを借りても勝てなくなって・・・返せないポイントがたまりすぎた結果、先ほどのような暴言と暴行が始まったということですか?」
「う・・・うん・・・。」
「そのポイント、ログインとマイフレンドへのフォローなどで稼げるのですよね?当分は、その方法で地道にためて少しずつ帰していった方がいいですよ。」
「ダメよっ!!そんなやり方だと、10年以上はかかっちゃう!」
「そんなに負けたのですか!?」
「そ、そうだけど、大丈夫よ!一発当てれば、大逆転できるわっ!負けた分をすべて取り返すのは無理かもしれないけど、小村さん達から借りたポイントは返済できる!リベンジする分のポイントは、私のところに戻ってくるわ!」
「この期に及んで、なに甘いこと言ってるんですか!?」
自分に都合のいい夢見るのもたいがいにしろや!!
てか~~~
(~~~ダメだっ!!ポイントの額もだけど、吉田さんの精神状態もダメだ・・・!!)
〔★ギャンブルで失敗する人間の思考になっていた★〕
「ダメですよ!小村さん達から借りたポイントを返せたら、もうそのアプリはやめて下さい!このままじゃ、泥沼から抜け出せませんよ!?」
「いやよ!小村さんにポイントだけ返して終わらせるなんて・・・出来ない!私の評価を下げたままやめられない!」
「なに言ってるんですか!?ゲームの評価が吉田さんのすべてじゃないでしょう!?」
「すべてよ!ただでさえ、マイフレンドがどんどん減ってきてるのに・・・戻ってきてもらわなきゃ!」
「そんなの・・・本当の友達だとは思えませんよ!?」
「―――――――――――――――菅原さんは友達がいないからわからないのよ!!」
「!?」
その瞬間、息を飲んだ。
呼吸できなかったこと自覚できた。
「あ・・・・・・!?」
マズいという顔で、吉田さんが口元を抑える。


