彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



いろいろ思うところはあったが、吉田さんの現状はわかった。



「つまり・・・小村さん達からポイントを借りても勝てなくなって・・・返せないポイントがたまりすぎた結果、先ほどのような暴言と暴行が始まったということですか?」

「う・・・うん・・・。」

「そのポイント、ログインとマイフレンドへのフォローなどで稼げるのですよね?当分は、その方法で地道にためて少しずつ帰していった方がいいですよ。」

「ダメよっ!!そんなやり方だと、10年以上はかかっちゃう!」

「そんなに負けたのですか!?」

「そ、そうだけど、大丈夫よ!一発当てれば、大逆転できるわっ!負けた分をすべて取り返すのは無理かもしれないけど、小村さん達から借りたポイントは返済できる!リベンジする分のポイントは、私のところに戻ってくるわ!」


「この期に及んで、なに甘いこと言ってるんですか!?」


自分に都合のいい夢見るのもたいがいにしろや!!

てか~~~


(~~~ダメだっ!!ポイントの額もだけど、吉田さんの精神状態もダメだ・・・!!)



〔★ギャンブルで失敗する人間の思考になっていた★〕



「ダメですよ!小村さん達から借りたポイントを返せたら、もうそのアプリはやめて下さい!このままじゃ、泥沼から抜け出せませんよ!?」

「いやよ!小村さんにポイントだけ返して終わらせるなんて・・・出来ない!私の評価を下げたままやめられない!」

「なに言ってるんですか!?ゲームの評価が吉田さんのすべてじゃないでしょう!?」

「すべてよ!ただでさえ、マイフレンドがどんどん減ってきてるのに・・・戻ってきてもらわなきゃ!」

「そんなの・・・本当の友達だとは思えませんよ!?」

「―――――――――――――――菅原さんは友達がいないからわからないのよ!!」

「!?」



その瞬間、息を飲んだ。

呼吸できなかったこと自覚できた。



「あ・・・・・・!?」



マズいという顔で、吉田さんが口元を抑える。