いじめは人の心を壊すというが、その通りだと思う。
目の前にいる女の子の姿、ハッキリ言って痛々しい。
返事に困って黙る私に、吉田さんのご乱心は止まらない。
「きれいごと言わないでよ!!正直に言ってよ!言いなさいよ!」
「えー・・・なにを言えというのですか?」
「あなたに死ねって言ったことについてよ!気にしてないわけないでしょう!?どう思ったのよ!?隠さないで、本当のこと言えば!?」
「ショックでした。」
仕方がないので即答すれば、傷つくような顔で固まる。
(正直に言ったら言ったで、そんな面すんのかよ・・・)
わがままだな、おい。
私に忖度(そんたく)しろってか?
私が貴女に対して、配慮ある発言をするとでも思ったのか?
〔★凛が推し量らなくてもいいと思われる★〕
若干、『凛道蓮』モードになったが、なんとかクールダウンしながら言った。
「吉田さんの言う通りです。否定はしません。」
「やっぱり・・・!同情したふりだったんじゃない!?自分をいじめた相手が苦しんでるのを見て、良い気になってるんでしょう!?」
泣きながら、勝ち誇ったように言う吉田さん。
「わかってたよ!簡単に許してくれるわけないって!すぐに許してもらえることじゃないって・・・!だまされるとこだった・・・!!」
「吉田さん・・・」
「菅原さんのやさしさに、だまされるとこだった!だますなら――――バレないように、だましてよ!こんなっ・・・!!」
怒ったり笑ったりと、ころころと表情を変える吉田さん。
情緒不安定(じょうちょふあんてい)な相手に私は言った。
「はい、どうぞ。」
「え・・・!?」
持っていたある物を差し出しながら伝える。
「これ、見て下さい。」
「はあ!?なにこれ!?・・・え!?これ・・・」
私の手の中にあるものを見て、吉田さんの表情が曇る。
「鏡・・・?」
「鏡です。」
戸惑う吉田さんに私は言った。


