彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



いじめは人の心を壊すというが、その通りだと思う。

目の前にいる女の子の姿、ハッキリ言って痛々しい。

返事に困って黙る私に、吉田さんのご乱心は止まらない。


「きれいごと言わないでよ!!正直に言ってよ!言いなさいよ!」

「えー・・・なにを言えというのですか?」

「あなたに死ねって言ったことについてよ!気にしてないわけないでしょう!?どう思ったのよ!?隠さないで、本当のこと言えば!?」

「ショックでした。」


仕方がないので即答すれば、傷つくような顔で固まる。



(正直に言ったら言ったで、そんな面すんのかよ・・・)


わがままだな、おい。

私に忖度(そんたく)しろってか?

私が貴女に対して、配慮ある発言をするとでも思ったのか?



〔★凛が推し量らなくてもいいと思われる★〕



若干、『凛道蓮』モードになったが、なんとかクールダウンしながら言った。



「吉田さんの言う通りです。否定はしません。」

「やっぱり・・・!同情したふりだったんじゃない!?自分をいじめた相手が苦しんでるのを見て、良い気になってるんでしょう!?」



泣きながら、勝ち誇ったように言う吉田さん。


「わかってたよ!簡単に許してくれるわけないって!すぐに許してもらえることじゃないって・・・!だまされるとこだった・・・!!」

「吉田さん・・・」

「菅原さんのやさしさに、だまされるとこだった!だますなら――――バレないように、だましてよ!こんなっ・・・!!」


怒ったり笑ったりと、ころころと表情を変える吉田さん。

情緒不安定(じょうちょふあんてい)な相手に私は言った。



「はい、どうぞ。」

「え・・・!?」



持っていたある物を差し出しながら伝える。


「これ、見て下さい。」

「はあ!?なにこれ!?・・・え!?これ・・・」


私の手の中にあるものを見て、吉田さんの表情が曇る。


「鏡・・・?」

「鏡です。」


戸惑う吉田さんに私は言った。