「凛さん、謙虚で控えめだから、渕上さんとの関係を軽々しく言わないんだと思います。一緒にいて、本当に落ち着けます。だからあたしから、仲良くしてほしくって・・・・凛さんにお友達になってもらったんですよね~アハハ!図々しくてすみません!」
「ちょ、よっちゃん!?」
「まぁあ~そうだったのぉ~♪」
焦る私とは対照的に、お母さんの機嫌は良かった。
「図々しいなんて、そんなこと言わないで!これからも、うちの娘と仲良くして下さいね!えっと、吉田さん・・・だったかしら?」
「都司子でいいです、おば様。」
「じゃあ、都司子ちゃん。凛をよろしくお願いしますね。凛!」
ご機嫌のお母さんが娘の私を呼ぶ。
「これで、都司子ちゃんとご飯食べてきなさい。」
「え?」
笑顔で五千円札を渡される。
「お友達なんでしょう?お世話になってるなら、ごちそうしなさい。」
「お母さん・・・」
「お母さんも、今夜は遅くなるから。くわしくは、LINEを見てね。」
私にそう言った後で、視線をよっちゃんに向ける。
「都司子ちゃん、凛の学校での様子を教えてくれてありがとう!今度、うちに遊びに来てね?」
「ありがとうございます。是非、お邪魔させて下さい。」
「もちろんよ!待ってるわ。じゃあね、凛。」
「・・・うん。」
よっちゃんの言葉を疑うことなく信じたお母さんは、複雑な気持ちの私に気付くことなく立ち去ってしまった。
あとに残された私達は――――――――――
「すがちゃん。」
「よっちゃん・・・」
どちらも気まずい顔をしていた。
何とも言えない空気の中、先に口を開いたのは、よっちゃんだった。
「おごらなくてもいいよ。あたし、自分の分ぐらい、自分で出せるから。」
「あ、あの!」
真顔で言う相手に聞いた。
「どうして・・・あんな話を・・・・渕上さんが、私と・・・」
「仲良しだって・・・・・・・・・すがちゃんのお母さんは思ってるんでしょう?」
そう言って確認してくるよっちゃんの表情は、私の気持ちと同じで、悲しい色をしていた。


