彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「凛?」

「え?」



ふいに名前を呼ばれる。

声のする方を見て、今度は私に動揺が走る。





「お、お母さん!?」





相手が母親だったから。

親の視線は、すぐに私から隣にうつる。



「あら、お友達?」

(マズい!!)



夏休みの外泊とか全部、友達と行動してるって申告していた。

だから、ここでお母さんに余計なことを言われるとマズい!!



〔★ウソがばれてしまう★〕



「はい。はじめまして、凛さんのお母さん。いつも凛さんにはお世話になっています。吉田都司子です。」



丁寧な挨拶をするよっちゃん。

娘だからこそわかる。

お母さんが友達をチェックしていることを。



「礼儀正しい、良いお嬢さんね。凛の母です。はじめまして。」



合格ラインだったから、愛想よくなったことがわかった。



「これからも凛と、仲良くして下さいね。あなたも、渕上さんと仲良しなのかしら?」

「え!?」

「お母さん!!」

(このバカ親!)


慌てて、母親の言葉を訂正した。



「なに言ってるのお母さん!?大げさなこと言わないでよ~!?渕上さんと仲良しって、言いすぎだよ!違うからね、よっちゃん!?」

「なに言ってるの凛!渕上さんは、わざわざうちにまで、遊びに来てくれたでしょう!?一緒にお勉強してるんじゃないの!?」

「え・・・?」

「やめて!お母さんてば!!」



お母さんの言葉に、目を丸くしながら私を見るよっちゃん。
彼女もまた、私の母の言葉に動揺していた。

「凛ったら・・・照れてるの?悪いことしてるわけじゃないんだから、誇りに思いなさいよ。渕上さんのお嬢さんに気に入ってもらえてるんだから。」
「だ・・・」

(黙れババアー!!!)

黙れって言いたい!黙れてって言いたいけど――――――っ!!

悲しいかな。

親を大事にするようにと、道徳的な教えが身にしみついてることもあって、母親の口をふさぐことができない残念な私。

黙れババア!!!と言えない。



〔★菅原凛は母親に弱かった★〕