「ネットなら・・・移動しなくても、家でも出来ますものね・・・」
「金の換金もだ。ネットカジノでの勝った分を、現金に変えるのだって家にいながらネットで出来る。伊織ほどくわしくはねぇが・・・元々、ネットカジノをしてるかどうかを、見分けるのは面倒なんだ。とにかく、ネットの中での犯罪を、現実世界で証明する証拠が大変なんだよ。」
「証拠が・・・見つけにくいということですか?」
「そうだ。例えば、ゲームのポイントを金に換える仕組みをつきとめるには、使ったサイト・ログデータ・電子機器を抑えなきゃいけねぇ。ネットが一般化する前ならまだ・・・違法をしてる客を見つけるのは簡単だったんだけどな。」
「簡単だったんですか?」
「おう。店舗を構えてる店に、賭博(とばく)をしに行くわけだから、手に現金を持ってる。財布や集金袋に札束入れて持ち歩いてる。すぐに使うもんだから手に持ってんだ。」
「なるほど!」
「その点今は・・・・ネット通貨でやり取りするからな・・・。タプレットとスマホだけ持ってれば、金をネットで使えるようにネット通貨に交換しちまってるから、財布や現金を持ち歩く必要がないからだ。タプレットとスマホがあればいいから、身軽でいる場合が多い。」
「探す人がネットが苦手だと、不利ですね。」
「そういうことだ。ネットカジノの客が持ってるのは、誰でも持ってるスマホやタブレットだろう?一般人との区別がつかねぇから、今カジノサイトにログインしてるのか、ログアウトしたのか、たんにゲームをしてるのかは・・・パッと見、わかねぇだろう?」
「あ・・・一目じゃ、わからないです。」
「だよな?ネットカジノを取り締まる側は大変だと思うぜ。仮に現場に踏み込めても、手間取ってたら、証拠を削除されちまう。バレないように素早くしなきゃならない。」
「取り締まりが大変って、悪い奴にはもってこいの条件ですね?」
「だから、気軽にネットカジノに参加する奴が増えてんだよ。パチンコと同じで、負けると悲惨だってことがわからねぇーのかねぇー」
ぼやく瑞希お兄ちゃんに、思わず聞き返す。


