彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「・・・そうだな・・・」



私の問いに、彼は私を見つめながら黙り込む。

しかもその目は、私ではない何かを見ているようだった。



(え?そんなに難しい・・・質問だったかな・・・??)



戸惑いながらも、同じように瑞希お兄ちゃんを見ていれば、彼はため息をついてから言った。



「治せるが・・・・・治りにくいんだよ、ギャンブル依存症は。」

「治りにくいのですか?」

「難しいって聞くな。わかってねぇ奴が多いが、アルコール依存症、薬物依存症、大うつ病、双極性障害、統合失調症、パニック障害、PTSDと同じもんだと考えていい。むしろ、下手したら今言った病気と合体する。」

「合体!?え!?合併症になっちゃうのですか!?」

「なっちゃうんだよ。だからこぇーんだ、ギャンブルは。凛も知ってるだろう、日本の『IR』問題?」

「『IR』??」

(聞いたことあるような、ないような・・・?)



「わかんねぇなら、ヒントやろうか?日本のカジノと言えば?」

「あ!?『統合型(とうごうがた)リゾート』の略称・・・カジノ法案のことですか?」

「正解。」



それで再び、頭の中でスロットマシーンが浮かぶ。

そんな私に、瑞希お兄ちゃんはおっしゃった。



「IR、『カジノを含む統合型リゾート施設』・・・法案も通って、建設候補地の立候補も出て、賛成派と反対派で盛り上がってる、俺らの身近な問題な?」

「瑞希お兄ちゃんは・・・カジノ法案に、反対なのですか・・・?」



今までの話の流れからするとそうなる。




「反対もなにも、『良いことしかない』なんてわけねぇーんだよ。」




私の問いに、彼はそっけなく答えた。