彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



始業式、新学期初日は最低だった。

教室で渕上の幸せ話を聞かされ、体育館では締め出されただけでも最悪なのに・・・


「ひっく、ひっく!」

「吉田さん、しっかりして。」


ヤンキー女どもに泣かされた、同じ委員会の女子を保護することとなった。

その子、吉田さんが、いじめられたくないから私に暴言を吐いたのは理解してる。

気にしてないと言えばうそになるが、今ここで、彼女を突き放す気にはなれなかった。



(とはいえ・・・私と一緒に行動してるのを誰かに見られるのはよくないな。)

「吉田さん、私と離れた歩きましょう。巻き込みたくないです。」

「う・・・うん。」



意味を理解した吉田さんは、一定距離を開けて私の後ろからついてくる。

使づ離れずで、無関係の距離のまま保健室についたのだが・・・


「え!?開かない!?」


施錠されて閉まっていた。


(留守にしてるのか・・・参ったな。)


早く身を隠したいのに、開いていないと逃げ込めない。

目だけで吉田さんを見て、ガタガタと音を立てながら開かない戸をゆらす。

それで相手にも、保健室にカギがかかっていると伝わった。

ジェスチャーで、しばらく待とうと伝える。

保健室の前にいる私と、少し離れた物陰で隠れるように座り込む吉田さん。



(・・・人間って、つらい時は時間を長く感じるというけど・・・)


つらいわけじゃないけど、今も時間がたつのを遅く感じる。

いじめによる無視や暴言などに耐える時とは違った居心地の悪さ。


(この場合は、『気まずい』って感じかな?)



楽しい気分じゃないことは間違いない。


(大丈夫よ、凛。ちょっと我慢するだけじゃない?)


保健室の先生が、そんなに長くホームグラウンドを開けているわけがない。

すぐに帰ってくるだろうと思ったのだが―――――



(・・・遅いな・・・・・・。)



待ってども待てども、保健医が戻ってくる様子はない。

腕時計と廊下の先を交互に見るを繰り返す。


(トイレにしては長い。大便だったとしても長いけど・・・もしかして、便秘?)


保健室の先生が便秘なんて、職務怠慢もいいところよ!

ちゃんと、うどんか食物繊維を食べなさいっての!


〔★決めつけてはいけない★〕