「誰ですか?」
「よく見て思い出してくれ。」
「いや、知らないですよ。」
「1人ぐらいわかるだろう?どこにいる?隠してるのか?素直に話した方が身のためだぞ?」
「知ってる前提で聞かないでくださいよ?みんな・・・僕より年上でしょうか・・・?初めて見ますが?」
「本当だな?」
「はい。」
ジッと私を見つめる闇金のおじさん。10秒ぐらい見てから言った。
「もし、4代目のところに来たら、ここに連絡してくれ。」
そう言って、名刺を差し出してくる相手。
「え?あの・・・」
「いいな?」
「・・・・・・はい。」
私に名刺を押し付けると、背を向けた立ち去る闇金さん。
「・・・。」
(どうしよう・・・)
これって・・・漫画だと、借金の取り立て場面だよね?
てか、これ以上もめ事は嫌だからなぁ~
「・・・。」
そう思ったので、おじさんが見えなくなったところで行動に出た。
壁に名刺を押し付け、指先を動かす。
一生懸命、長方形の厚紙を加工する。
「出来た~♪」
とっても小さい紙飛行機の出来上がり♪
〔★凛の工作、おもちゃが完成した★〕
正方形じゃなかったのでおりにくかったけど、まあまあの良い仕上がりだと思う。
満足したところで最後の仕上げを実行!
「そーれ、飛んで行け~」
腕を振って、空に向かって投げた。
遠くへ、二度と戻って来ないように願いを込めて飛ばす。
「ゴラァァァァァ!!」
「わぁああああああああ!?」
その途端、背後から罵声が上がる。
ビクッとしながら振り返れば――――
「あれ!?闇金のおじさん!?」
視界から消えたはずの大人が、私の背後に回り込んでいた。
〔★金貸しが再来した★〕