彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




〈オーナー、いけませんよ。〉

〈黙ってろ雇われもん!〉



部下の制止を振り切り、ギラギラした目で男はしゃべる。



〈なぁ、LINE交換しようぜ?てか、今から飯にでも行かねぇか?〉



浮ついた声に、カンナさんから大きなため息が響く。



〈大河、可児!話は終わりらしいぞ!〉

〈そうだな!〉

〈帰らせてもらうぜ!〉



カンナさんの怒鳴り声に合わせ、名前を呼ばれた2人も答える。



(良かった・・・これで話は終わった。)



ホッとしたのもつかの間。



〈待って下さい。〉



美涼が再び口を開いた。



(引き止める気!?)



その声にドキッとしたけど、美涼が発した言葉に驚いた。



〈忘れ物ですよ。〉

〈あん!?あたしらに忘れもんはねぇーぞ!?〉

〈あります。本日の交通費です。〉



そう言って、数枚の封筒を机の上に置く。



(交通費!?)



ということは、あの封筒の中身は・・・・・お金?

そう思った時、カンナさんの声がさらに不機嫌になった。




〈はぁあ!?いらねぇーよっ!!〉

〈時は金なりです。たくさんあって困るものじゃないですよ。〉

〈てんめぇ~・・・!!マジでムカつくわ!!次姿見せたら、ぶっ殺すからな!?〉
激高に近い声で怒鳴ると、お金が置かれたテーブルをガン!!と蹴り飛ばす。

〈マジで凛を連れてこなくてよかったぜ!!〉



そう言いながら、レジで固まっている人の前に伝票と1万円札を1枚叩きつけて出ていくカンナさん。



〈お、おい!待てよ、カンナ!お前がまとめて払うことねーっての!〉

〈だよな。だからと言って、こいつらにおごってもらうのはもっとごめんだぜ。〉



慌ててカンナさんを追いかける悠斗君と、ゴミを見る目で美涼たちの横を通過する秀君。

もちろん彼らも、机の上のお金には目もくれない。