彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)



(これからどうしよう・・・・)


教室に戻っても、鍵がかかってるから入れない。

時間がつぶせそうな場所を探す。


(疲れた。座りたい・・・。)


周りからの悪意に、気分が悪くなる。


(保健室に行こうかな・・・?)


体調不良ということで、休ませてもらえないだろうか?


(そうしよう。)


どう動くか決まったので、保健室へ向かおうとしたのだが―――


「ふざけんなよ!!」

「ひっ!ごめんなさい!ごめんなさい!!」


罵声と悲鳴が響いた。



(なに!?)

「また負けやがって!!」

「ごめんなさい!!」


反射的に声のした方へ、後者の裏側へと視線を向ける。


(あれは・・・!?)


1人の女子生徒が数人の女子生徒に囲まれていた。

取り囲んでいるのはヤンキー女達で、そいつらの顔には見覚えがあった。



(私をトイレの個室に閉じ込めて、水をぶっかけた奴ら!渕上の仲間だ!!)



なにあれ!?いじめ!?私以外もいじめてるの!?


「今日はこれぐらいで勘弁してやる!」

「ちゃんと用意しとけよ!」

「またな、吉田ちゃーん?」

(吉田ちゃん・・・?)


ギャハハハ!と下品に笑いながら、離れて行く渕上の仲間のヤンキー達。



(『吉田』って・・・)


「うっ、うっ、ひっう!」



1人残され、座り込んで泣いている女子生徒。

服装からしても、一般の生徒で間違いない。



「大丈夫ですか?」



気づけば、その子の側まで行っていた。

身をかがめて、話しかけていた。


「ひっ!?」


震える声で、その子が小さく叫んで顔を上げる。

相手と目があった瞬間、どちらともなく、「あ!」と小さく叫んでいた。



「す、菅原さん!?」

「吉田さん・・・」

(やっぱり、吉田さんだ・・・。)



同じ学年で、同じ委員会のG組の生徒。

英英辞典を借りたのを最後に、ずっと会っていなかった相手だった。



〔★思わぬ再会だった★〕