(どんな話し合いになるかわからないけど、冷静な判断のできる心の余裕は持っておくためにも、現状がベストなんだけど・・・)
だけどやっぱり面倒だわ・・・瑞希お兄ちゃんに会いたい・・・と思っていたら、知らない声が聞こえた。
〈お待たせして、すみませんでした。〉
〈おい、どれが凛道蓮だ?〉
2人分の声がした。丁重な口調と、横暴な口調。
画面には、2つの声の主らしい2人の男が映る。
(誰、こいつら?)
丁重な口調の人は、スーツをビシッと来ている身なりの整った清潔感のある男性。
乱暴な口調の人は、耳や首、指に、ジャラジャラと悪趣味なアクセサリーを身につけている男。
濃いブルーの半袖のニットシャツを着ているが、画面越しでもわかった。
(てか、チラチラ見えてんぞ。二の腕にあるタトゥー。)
呆れる私の・・・龍星軍達の目の前に、謙虚な姿勢で座るスーツと、乱暴に腰を下ろすタトゥーの男。
2人のうち、先に口を開いたのはスーツの男。
〈商談が長引きまして、申し訳ありませんでした。もう皆様お集りかと思ったのですが・・・凛道蓮さんはどちらですか?お手洗いでしょうか?〉
〈凛道は来ねぇーよ。〉
間髪入れず、不機嫌な円城寺君が答える。
これで、さらなる不機嫌な声が響いた。
〈はあ!?凛道蓮が来ないってどういうことだ!?〉
半袖タトゥーの言い方にカチンと来のは、私だけではなかったと思う。
〈あ?俺らじゃ役不足か、コラ?〉
円城寺君がイライラ声で答える。
これに同じように、タトゥーも答えた。
〈呼べ!〉
〈あん?〉
〈凛道蓮を呼べって言ってんだよ!〉
円城寺君の問いに、横暴な口調の男が偉そうに言う。
そんな言い方をするから、もちろん円城寺君はキレた。
〈ああ?調子に乗んなよ、テメー?〉
メンチをきりながら、深く腰掛けていた姿勢を前のめりにする。
それに相手は、同じように前のめりのメンチをきりながら返す。
〈調子に乗ってんのはお前らだろう、ガキ共。〉
〈ほぉ~やるのか、コラぁ・・・!?〉
〈けっ!勝つ気かよ?〉
ちょっと!?ちょっとちょっと!!
(話し合いが殴り合いになる!)
〈まぁまぁ、やめましょう。〉
それを止めたのが、丁重な口調の男。
半袖タトゥーのツレで、第一印象の良い人物だった。


