彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




(なに?ヤマト?)



のびてきた腕をたどって見れば、スマホ画面を見せてくるヤマト。



―えんなんとか君やな?―



(・・・声が出せないから、文字を打ち込んだのね・・・)



書くより打ち込んだ方が早いわよね・・・



そう思いながらうなずけば、ニッと口の両端を上げて笑う関西男子。

声を出さないで、コミュニケーションが上手くとれたことが嬉しいらしい。



〈マジで、凛君を呼ばない気か?〉

〈はあ!?呼ぶかボケ!〉

(今度は、秀君とカンナさんの声・・・!)



画面には意味深な顔の秀君と、円城寺君以上き切れているカンナさんが映る。



〈だよな。俺もリンリンに会いたいが、リンリンはめんどうが大嫌い。俺、リンリンに嫌われたくないからカンナっちに賛成。〉

〈はあ!?お前のりんどーに会いたい気持ちと、カンナの気持ちを一緒にすんなや!つーか、ばんずいいんお前!りんどーいないと、半グレ全開じゃねぇーか!?猫かぶりすぎだろう!?〉

〈へっ!男の嫉妬かニャー?〉

〈あんだとぉ~!?〉

(ちーちゃんと悠斗君・・・)



半グレモードのちーちゃんと、カンナさん以上にブチ切れた悠斗君がメンチをきり合う姿も珍しいと思いながら見る。

同時に、そろっているメンツを見て思う。




(・・・・やっぱり、東山メンバーは全員集合か・・・)




みんなの性格を考えれば、可児君と円城寺君達に任せるはずがないかと思ったら肩をトントンされる。



(ヤマト?)



振り返れば、スマホ画面を見せてくるヤマト。



―ながちゃん、凛の前で猫かぶってるゆ~よりは、凛の前だと好き好きオーラが隠せへんだけや思うから、誤解せんといたげてな?―


(フォローするところそこなの!?)



まぁ・・・友達想いなのはわかるけど・・・わかったという意味でうなずけば、グッと親指を立てるヤマト。



(声が出せないとはいえ・・・ヤマトとこうやってコミュニケーションを取るしかないって面倒だな・・・。)



とはいえ、菅原凛のスケジュールを守りながら、慌ただしく凛道蓮に変装して、可児君達の近くでこっそり見聞きするよりも、人気のない教室で落ち着いて準備して電話した方がいい。



〔★凛はあきらめて、割り切った★〕