関西男子は、阪神タイガースファンとわかる布を、教だんの側面が隠れるようにかける。
布がズレ落ちないように、持っているペットボトルや中身の入った菓子箱で固定する。
「ヤマト・・・なにをして・・・?」
「うはははは!凛のための背景づくりや!」
「背景??」
「うはっはっはっ!あゆみが丘学園の教室やって、つーちゃんにバレへんようにするためや~ん!?」
「え?」
「凛、つーちゃんにカミングアウトする気はないんやろう!?けど、つーちゃんは凛が大好きやから、凛のことを知りつくしたいねん!せやから、いくら凛道蓮の姿でテレビ電話対応しても、こないな学校の教室っぽい場所でそのまんま出たら、逆探されるやーん!?つーちゃんならわずかな情報で探すでー!?せやから、カモフラージュで阪神タイガースの背景やねん!!よし!これで完成や~!うははははは!!」
(なるほど、そういうことね・・・)
SNSでさえ、ちょっとしたことで身バレしちゃう時代。
「ヤマト・・・そこまで僕の身の安全のことを考えてくれてたんですか・・・?」
「当たり前田のクラッカーや!わしら、大親友のマブやんからなぁ~!凛が許可して黙っててくれるんなら、アホガミ共も始末したるからなぁ~♪うははははは!」
「・・・ありがとう、気持ちだけで十分ですよ。」
ヤマトの思いが胸に染みる。
「渕上は、私自身が解決しなきゃいけないから大丈夫です。」
「うはははは!気にせんと、いつでも泣きつき―や!?あのアホ共、阪神指名の江川をかっさらった巨人よりも最悪やで!今でも思い出しただけで腹立つわ!!」
「はあ!?それって・・・『江川事件』のことですか?」
「そや!!それ以外あらへんやろう!?」
「いや・・・あれ、ヤマトが・・・僕らが生まれる前の話でしょう?」
「阪神タイガースの!!猛虎たちの純粋なここをもてあそび!優しさを台無しにして!不義理働いたことに!時効はあらへんっ!!!」
〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
江川事件:昭和の時代、ドラフト前の巨人が巨人の入団を希望する江川卓選手に独断で入団の約束をしちゃったんだけど、これが違法と判断されて江川選手は阪神へ入団することになったんだけど、江川選手も巨人も納得できなくて、巨人と阪神が、江川選手と別の選手を交換することで、江川選手は巨人に入団できたんだよーん☆彡この時、イケニエになったのは小林繁選手だよーん☆彡


