放課後、テスト終了後、再び第2理科実験室にやって来た。
「凛、早かったのぉ~?」
「ヤマトも早いですね?」
「わしの教室の方が近いからのぉ~」
先に中で待っていた親友が笑顔で迎えてくれる。
教室内を施錠して、誰も入って来れないようにする。
「うはははは!誰にも見つからへんかったかー?」
「大丈夫だと思います。」
「まぁ、人の気配がせんから平気やろう!うはははは!」
「人の気配までわかるんですか!?」
「コツつかめばええねん!うはははは!」
「コツって・・・」
やっぱりこの子も、人間離れしてると思う。
「うはははは!それより、つーちゃんへのテレホンはええんかぁー!?」
「そうでした!」
ヤマトの言葉で、急いで凛道蓮の携帯を取り出して電源をONにする。
LINEを確認すれば、つなぐからメッセージがきていた。
「うははは~!どうや!?」
「『いつでもOK』、とあります。」
「しかし、つーちゃんも考えるのぉー」
「そうですね・・・さすが忍者ですね・・・」
ヤマトの言葉で思い出す。お昼休みに、つなぐが電話で伝えて来た提案を。
〈我が君、放課後になったら俺の携帯に電話していただけますか?〉
「つなぐに電話するんですか?」
〈はい、それだけで結構です。我が君が俺に――――『テレビ電話』して下さい。そうすれば、あなたに東山高校方面まで、わざわざ出向いて頂かなくてもすみますでしょう?〉
「あ!?」
その言葉で意味を理解する。
「間接的に立ち会う・・・盗聴するということですか・・・!?」
〈さすが、我が君。ご名答です。俺との電話を通話状態にして、お互いにしゃべらないでいれば、生放送的な盗聴が出来ますので。〉
「なるほど・・・!確かに!」
そうすれば、移動時間とかも気にしなくていい。
間に合うか、間に合わないか、見られていないかどうか、警戒したりと言ったことに神経を使ってイライラすることもないわ。
それなら、安全にやり取りを盗み聞くことも見ることが可能ね!
〈いかがでしょう?〉
「採用します。」
答えは即決。
それで顔の見えない相手が、笑った気がした。


