この女は、学校が言いなりになるほどのお金持ちで、見た目もいいからモデルもしてる。
それどころかレディースの総長までしてるボスだ。
声を聴くだけでも気分が悪いが、目だけでその存在を確認。
夏休み前は、奴の機嫌次第で、いじめの被害が変わっていた。
(新学期も、その流れが変わらないはずだから、朝一で様子を確認しておかないと・・・)
そう思って視線を向けたのだけど、
(誰!?)
目にした相手は、いつもと違った。
茶色の髪の毛が黒くなっていた。
夏休みデビューで、黒い頭が茶色になるのはわかるけど・・・黒くなってる!?
(なにそれ、腹黒だって自己紹介してるんですか?)
〔★凛は心の中でディスった★〕
「渕上さん、イメチェンイイ感じだね~!?清楚で可愛い!」
「ありがと。」
山崎という男子の言葉に、そっけなく答える見た目は可愛い女。
そいつに、取り巻きの難波・鳥海が群がる。
「てか、アルがダメって、フッチーダイエット中?」
「え~必要ないじゃん?細いよ?学校で一番のスタイルなのに~」
「ルノアはダイエットしてない。」
右腕と左腕の問いに答えたのは、イケメン男子。
その男、飯塚アダムと言って、渕上ルノアの彼氏だった。
さらに言えば、こいつが原因で私はいじめられることになった。
(瑞希お兄ちゃんよりもブサイクなくせに・・・ムカつくわ。)
「ちょーみんな注目!聞いてくんねぇー?」
馬鹿男が何を言いだすかと・・・視線を下げたまま、耳だけ向ける。
クラスメートは、みんな飯塚の方へと集まって行く。
「なになに?どーした?渕上さんと婚約発表?」
「まだ早いし。」
「うわ、否定しねぇの!?ノロケごちそう様~」
「いいから聞けよ!ルノアさ~めっちゃすごいことになったんだよな。」
(すごいこと?)
警察に補導されて、モデルの仕事がなくなったのかとワクワクした。
「すごいことってなに?」
「教えてよ、アダム君!」
「それがさ~」
飯塚の口から出たのは、私の希望とは違っていた。


