学校中の視線が痛い。
実力テストが行われたのだが、集中するのが大変だった。
周りの目もそうだが、一番困ったのは―――――――
「どうしたの、すがちゃん!?その顔!?」
「ちょ、ちょっと転んじゃって・・・。」
「どんな転び方!?本当のことを教えて!?友達でしょう!?」
私を心配する友達を、どう誤魔化すかということだった。
午前のテストを終えた昼休み、体育館裏で吉田さん改め、よっちゃんと一緒にお昼ご飯を食べるために待ち合わせていた。
先に待っていたよっちゃんは、私を見るなり、ギョッする。
そして一直線で私の元まで近寄って来ると、真っ先に頬へと触れる。
「大丈夫!?すごく腫れてる!」
その瞬間、ピリッとした痛みが頬に走る。
「痛っ!?」
「あ!?ごめん!!」
「い、いいよ。」
本当は良くないけど、大丈夫だと伝える。
心配そうに触ってきたよっちゃんを、安心させるためにそう言った。
そんな私に、悲しそうな顔でよっちゃんは言う。
「その顔・・・渕上さん達に・・・?」
「え?あ!いや、これは~!」
渕上ではない。
(セクシーダイナマイトだよ。)
そう言えればいいのだけど・・・
(てか、よっちゃんなら、るかさんのことを知ってるはず・・・一緒にいたし・・・)
どんな関係なのか、聞きたいところだけど―――――
(凛道蓮で遭遇してるからな・・・)
見かけたのは変身後の姿。
〔★菅原凛ではなかった★〕
とはいえ、このまま知らん顔はできない。
(るかさんと一緒だったんだから・・・)
見なかったことにはできない。
適当に理由付けて、聞いてみればいい。
よっちゃんも、理不尽な扱いを受けていたらと思うと、居ても立っても居られなくなったので聞くことにした。
「よっちゃん。」
「言わなくてもわかってるから。」
「え!?」
覚悟を決めて名前を呼んだ私に、彼女は笑顔で告げる。


