彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)




「マジなのか、凛たん!?」

「そーなんだよ!こいつ、怒るどころか『びっくりはした』的なことしか言わねぇーんだよ!」

「もぉ~凛ちゃんらしいと言えば、凛ちゃんらしいけど、怒っていいところなのにねぇ~器が大きいってゆーのか・・・だから好き♪」

「わははは!少しは俺様を見習ってんだ!!情けねぇ!」

「馬鹿者。皇助なんぞを見本にできるか。しかし、もう少し闘争心は養うべきではあるな。」

「すみません、みなさん!」

「凛が良いならいいけどよぉー・・・コケにされたって事実は変わらないからな?後から何言われても、俺は知らねぇからな?」

「わかってます!すみませんでした!」

「俺はいいから、話を運んできた烈司に言うこと言え。」

「烈司さん、ありがとうございました!!」

「いいよぉ~凛たん♪てか、瑞希はマジで凛たんに弱いよなぁ~」

「うっせーよ、ボケ!肺がんになれ煙野郎!」

「ははは~俺より先に、オメーが副流煙(ふくりゅうえん)でオダブツだろう~ボケ♪」



さっきまでの険悪なムードが嘘のように、なごやか空気になるお2人。



〔★しかし、会話はギスギスしている★〕



「ちょっとー仲直りするのはいいけどさ~最後まで話てよ、れーちゃん!」

「中途半端が、一番聞いていてムカつくな。」

「わははははは!情報は女のことだけかー!?」

「男の方も聞いたんだよ!ピアス3人組は話してくれたぜ。鳴海瑠華が働くガールズバーの近所の娯楽施設『GREAT STAGE(ぐれーとすてーじ)』って店の店員だと。」

「娯楽施設!?」



烈司さんの説明を受け、瑞希お兄ちゃんを見たが視線をそらされる。

そんな私達を気にするこよなく、烈司さんは話す。



「鳴海瑠華が言うには、悪質なナンパらしくて、ずっと嫌がらせみたいな真似されてんだってよ。今回は、それが一番ヒートアップしたとか証言してっけどな~」

「・・・今夜も嫌がらせをしてきたってことですか?」

「そう言ってるが、どーかなぁ~?まぁ、龍志と亜都司のことは知ってそうなのに、しゃべらなかったが~!」

「え?教えてくれなかったんですか?」

(てか、やっぱりあの2人は瑠華さんの知り合い?)



私の問いに、困った顔で烈司さんは言った。