「やめて下さい!僕は気にしてませんし、瑠華さんから謝罪をもらおうと思ってませんので、大丈夫です!?」
「だよな~凛たん♪」
「ああん?んだよ、凛?俺が間違ってるって言ってんのか?」
「とんでもないです瑞希お兄ちゃん!!瑞希お兄ちゃんのお気持ちは嬉しいですが、僕が無意識で、瑠華さんの地雷を踏んだ可能性もありますので~!それに瑠華さんの性格なら、彼女が落ち着いたら、こちらにコンタクトを取ってくるかもしれないじゃないですか!?」
「『二度と近寄るな、ゴミやろうっ!!!』って、言われたのにか?」
「女心は秋の空と言うじゃないですか!?」
「・・・チッ!お人好しのばかが・・・!」
舌打ちしながら瑞希お兄ちゃんは言う。
「つまり、『ふじこ』こと鳴海瑠華本人の口からは、凛への正式な謝罪の言葉が出ていないってことでいいんだな?」
「ああいうタイプは時間かかるんだよ。」
「わはははは!結果的にゃ、逃げ帰ってきたことには変わりねぇわけかよぉ~!?」
「本当に最低な巨乳女ね!?自分の不始末を、他人に謝罪させるなんて!生理があるからって、何様なのよ!?」
「モニカ、世の中の半分は生理持ちだぞ?女のペースに飲まれてるじゃないか、烈司?もちろん、このままで終わらせるつもりはないな?」
「どうなんだ、烈司?鳴海瑠華に洗いざらい吐かせる『アテ』はあんのか?」
「ある。」
瑞希お兄ちゃんの問いに、烈司さんは断言した。
「直接、凛たんへ謝罪させられる。時間がかかるが、少し待ってくれ。」
「そうかよ。けど、その言葉を言う相手が違うだろう、烈司?」
「わかってる!つーことで、ごめんな、凛たん・・・今夜は怒りを抑えてくれ。」
「怒りも何も、僕は大丈夫ですから。」
「マジで?烈司さんに気を遣ってない?」
「遣ってません。むしろ、僕の方が皆さんに気を遣わせてしまって・・・すみません。」
本当に、怒りとかという感情はない。
あえて表現するとしたら、『とまどい』という気持ちがあるのみ。


