「凛たんを殴ったのは、ガールズバー『パステルカラー』のナンバーワンキャスト・鳴海瑠華、18歳。最近入ったばかりの大物新人だ。」
「18歳!?」
(え!?あのナイスバディーで同じ10代!?)
驚く私の前髪を整えながら烈司さんは言う。
「凛たんより2つ年上のお姉ちゃんだねー?」
「そんな・・・あまりにも妖艶なので、てっきり20代前半だと・・・」
(ん?ちょっと待ってよ!?)
瑠華さんの実年齢を知ったところで気づく。
「烈司さんの占いでは『1000%飲める』とか言ってませんでしたか!?」
「LEONだよ、凛たん♪」
私の髪から手を離すとお茶目な顔と声で言った。
「ごめーん!烈司さんも瑞希も、モニカも、伊織も、皇助も、20になる前からお酒飲んでた♪不良コースは法律守んねぇーんだよな♪」
「うっ!?それなら、瑞希お兄ちゃんはしかたないですが――――――20歳未満はお酒を飲んじゃダメなのに、カクテルを頼んで飲むのを勧めたのはヤバくないですか!?」
「そこは烈司さん達も、しかたねぇーことにしてよ?つーか、事情聴取して初めて、ふじこちゃんが18歳の20未満ってわかったわけだしさ~俺らはセーフじゃねぇの?酒を勧めった件にしても、実際のところは伊織の予想通り、ノンアルコールに変えてガバガバ飲んでたそうだからよ。」
「あ!?そういえば、そんなことをおっしゃってましたね・・・!?」
「フン!やはりにらんだ通りか・・・」
「よ、よかった!それじゃあ、お酒を飲ませたことにならないのですね!?」
「そういうこと。言葉の使い方、飲み方次第で、いくらでも抜け道はあるからね♪」
「いやでも、お酒を扱うお店って、未成年は働けないんじゃないのですか?」
一般常識を思い出しながら聞けば、烈司さんがニヒルに笑った。


